夏コミ2日目、幻想再帰のアリュージョニスト非公式ファンブック『ゼオーティアのあるきかた』頒布します

 夏コミ(C94)2日目、8/11(土)東6ツ-11aで幻想再帰のアリュージョニスト非公式ファンブック『ゼオーティアのあるきかた』を頒布します。600円です。ざっくりライトノベル系の島のあたりにあると思います。

 Web小説『幻想再帰のアリュージョニスト』未読者向けの作品紹介を主眼としつつ、既読者にとってもファンブック的に読んでもらえる内容を目指しました。ゲームのガイドブック風の雰囲気が伝わるといいな……。

 また、今回はアリュージョニストを多くの人に知ってもらうのが目的のため、かなり分厚い無料おためし版も相当数ご用意しました。「アリュージョニスト、名前は聞いたことあるけどよく分からないな……」という方も是非お立ち寄りください!

目次

  • ゼオーティアってどんなところ?
  • イラストでわかる人物紹介
  • これまでのアリュージョニスト
  • 読者アンケート

そのほか

 以前作った「ゆらぎの神話」本の残部を多少持っていきます。

 2日目土曜日、よろしくお願いします。

『幻想再帰のアリュージョニスト』紹介同人誌のイラスト募集についてのお知らせ

 2018年8月11日(土)の夏コミ(C94)2日目、サークル「魔王14歳の幸福な電波」(東6ツ-11a)として『幻想再帰のアリュージョニスト』の非公式紹介本を頒布する予定です。それに伴い、アリュージョニストのキャラクター紹介ページに掲載するイラストを募集します。

本の内容

 アリュージョニスト未読者向けの作品紹介を主眼としつつ、アリュージョニスト既読者にとってもファンブック的に読んでもらえるような内容を目指しています。現段階では、大きく以下のコーナーを予定しています。

  • おすすめポイント別の作品紹介
  • 主要キャラクター紹介
  • 1章〜4章前半ストーリーダイジェスト

募集内容

  • 「主要キャラクター紹介」の項目に掲載する各キャラクターのイラストを募集します
  • 募集キャラクターは以下の通りです
    • シナモリ・アキラ(1〜2章、着衣)、コルセスカ、トリシューラ、カーイン、レオ
    • アズーリア、ハルベルト、メイファーラ、リーナ、ミルーニャ(メートリアン)、リールエルバ、セリアック=ニア、プリエステラ
    • エスフェイル、キロン、ガルズ&マリー、ゾーイ・アキラ、グレンデルヒ
    • ミヒトネッセ、アレッテ・イヴニル
  • 現在シナモリ・アキラ、コルセスカ、トリシューラ、カーイン、アズーリア、ミルーニャ、リールエルバ、キロン、ガルズ&マリー、グレンデルヒのイラストを申し受けています
  • 600dpi 横2960×縦4142pix以内 グレースケール(縦横比交換可)
  • キャラクター単体の全身もしくは腰上のイラスト
  • 寄稿のお礼として、できあがった本を一冊差し上げます(郵送可)
  • 紙面の都合上文字が重なる場合、サイズの調整をさせていただく場合があります
  • キャラクターを指定せず、ひとまず参加表明だけしていただくことも可能です
  • 一名で複数キャラクターを寄稿していただくことは可能です
  • 寄稿いただいたキャラクターが重複した場合、全て掲載させていただく予定ですが、サイズ縮小等の調整をする可能性があります

参加方法

twitterの@valerico宛にDMいただくか、time6tide*hotmail*comまでご連絡お願いします。

  • 参加表明〆切:7月14日(土) 24:00
  • イラスト〆切:7月21日(土) 24:00
関連

同誌に掲載するファンアンケートを募集しています

『STEINS;GATE』(アニメ版)

 来月からシュタゲの新作アニメが始まると知り、そういばだいぶ前に前作のアニメ観て感想も書いたのにアップしてなかったな……と思い出して掘り返しました。前評判が良かったから、あと志倉さんがうみねこ散の作詞とかやっててちょっと気になってる人だったから、くらいの気持ちでアニメ版を見始めたんですが、やっぱり異様に面白かったです。後半はラスト5話と映画版をまとめて一気視聴してしまいました。

 前半1クールは後半の展開のために伏線をひたすら張っていく流れで、試作型タイムマシンを巡る会話劇をぐだぐだやるエピソードが主だったと思うのですが、そのくせ一話一話の体感時間が妙に短くて、益体のない会話の連続なのに退屈を感じるどころか「え? もう1話終わり?」と思うことが多かったです。「後半から一気に面白くなるからまずはそこまで見て」みたいな紹介する必要なくていいですね。

 中盤のある出来事以降は明らかに作品の雰囲気が変わり、タイムスリップものとしての展開が本格化するのですが、ここらかは本当にあっという間でした。前半に敷かれた伏線がラストイン・ファーストアウト形式で順番に回収されいくのは気持ちいいですし、そういう流れならいちばん最初に描かれた伏線がいちばん最後に最大のジレンマとなって立ち現れるというのも熱い。科学考証はびっくりするくらいデタラメでも、作品としてのルール自体は手厚く示されているのでパズル的には納得感があり、想定科学ADVという売り文句も伊達ではないなかったです。

 見てる間にキャラクターにわりと愛着が湧いてしまったのですが、岡部氏がやっぱり良いですね。ひたすら与太話を繰り返してる前半と、大事なものを失って無様に駆けずり回るようになった後半のギャップには来るものがあるし、宮野真守さんの演技もすごく良い。途中からメンタルがぐっちゃぐっちゃになってきたあたりの声、かなりこみ上げるものがありました。

 この手のキャラって物語を通して最終的に「大人」になって中二病的言動を「卒業」しちゃうパターンも多いと思うんですが、そうならず最終的に鳳凰院凶真に戻ってくるのも私好みです。マッドサイエンティストの真似をしすぎて遂に映画版で「あんな発明はこの世に存在してはならない……」的なこと言い出すのも一周回ってあっちに行っちゃった賢者みたいな感じで好きです。

 映画の方は、紅莉栖の思考のブレや躊躇が話の展開にブレーキをかけてしまうようなところがあって、本編ほどテンポや構成が良いとは感じませんでしたが*1、本編に対する「アフター」ものとして綺麗にできていたと思います。

 主人公がループを繰り返すタイプの作品ってどうしても倫理観が現世的な人間のそれから乖離して、そのままクライマックスに突っ込んでいったりするので、「本編で零れ落ちたもの」を拾い上げる外伝的作品がやたら面白くなったりするんですよね*2。世界の危機とか大きな風呂敷は広げず、本編で岡部氏が必死こいて救おうとした紅莉栖たちが今度は彼を救う側に回る展開、ベタながらめちゃくちゃ感情のある流れで、良い……ってなりました。

*1:あとまゆしぃが岡部氏の不在に結構淡白なのもちょっと悲しいな……とは思いましたが、あの子は紅莉栖が目の前で無茶して苦しんでたら(それが岡部のためであっても)まずは目の前の紅莉栖の無茶を止めて苦しまなくて良いと諭すような子だと思うので、あれはあれで彼女らしいのかもしれません。

*2:ぱっと思いつくのは『ひぐらしのなく頃に』のクリア後番外編である賽殺し編とか。

『岳飛伝(四)』

岳飛伝 4 日暈の章 (集英社文庫)

 金と南宋が本格的にぶつかりはじめて、本当に『岳飛伝』という感じになってきました。このシリーズになってから出てきた新キャラ・孟遷もすっかり岳家軍の要の一人という感じになっていて、この面子の中に牛坤と姚平がいないのは寂しいなという気持ちになります。岳飛陣営を盛り上げる良いコンビだったあの二人、いよいよ岳飛が話の中心になってくる岳飛伝を前にどうして退場しちゃったのかなと思いますが、ああいう「これから」という連中があっさり死んじゃうのがこのシリーズですもんね……。

 李英・李媛の兄妹なんかも今回触れられていましたが、どうにも恵まれないまま死んでしまって、しかも死ねばそこまでというキャラクターが多くなってしまうのは、どんどん人が出てきて死んでいくこういう群像大河小説では仕方のないことです。それでも、こうやって死んだ人たちの名前がたまにでも挙がり、遺した業績や思い出話が語られるというのは、何だか救われるものがありますね。

 それにしても、これまでに死んだ人々にまつわるキーワードが各話の章題になってたり、水滸伝の頃は絶対的だった「志」が時を経て何だかよく分からない曖昧な概念に変化していくのと対比して語られるもう一つの概念が「夢」だったりするの、「か、感情〜〜」ってなります……。打倒宋という目的に向けて屍の山を築きながらも痛快に突き進んでいた『水滸伝』の頃とはもうかなり作品の趣も変わってきたと思うのですが、五十巻におよぶ大長編の中で培われてきた様々なものの積み重ねには、何か言い知れない巨大な感情を覚えずにはいられません。これだけのサイズの物語には自分の人生の中でそういくつも触れられないだろうと考えると、ほんと贅沢な経験ですね……。

『GDZILLA 怪獣黙示録』

 シン・ゴジラでこそないものの、このアイデアをご自身で実現しちゃったような一冊。怪獣映画とフェイクドキュメンタリーという食い合わせがまず美味しすぎるので、この時点で強いです。さらに古今の怪獣特撮ネタをこれでもかと詰め込んで、こういう方向性が好きな人向けの突破力が凄まじい一冊になっています。私自身は怪獣詳しくないので、「怪獣の名前がいっぱい出てくる」「硫酸、コバルト、カドミウム」くらいしか分からないのが勿体なかったですね……。

 局所的な怪獣災害だけでも話をひとつ作れるわけですが、「1999年以降、世界中で何体もの怪獣が現れるようになり、徐々に人類が追い詰められていく」ってストーリーラインを打ち出し、人類敗北までの年譜を冒頭でドンと見せられたインパクトが凄まじかったです。序盤に出てくる怪獣でも相当手強く、甚大な被害を出しながら必死こいて撃退していく一進一退が描かれているのに、この先桁外れに強力なゴジラが出てくることがあらかじめ分かっている絶望感。どうすんのこれという感じです。

 多分話としていちばん盛り上がるのはゴジラ活性化〜核1000発によるヒマラヤ封じ込め〜浜松最終決戦における人類敗北の流れなので、ここに至る直前でこの記録が断章となってしまっているのは残念です。映画本編の内容との兼ね合いだったりするのかもしれませんが、ぜひ同じくらいのボリュームでの後編の出版にも期待したいところ。