2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「本を読む」とはどういうことかをもう一度考え直すために - 松岡正剛『多読術』

すごいいい本だったのでみんな読めばいいと思います。『多読術』というタイトルから、ありがちなノウハウ本を想像するのは誤り。読書と編集に関わりながら半世紀を生きてきた著者・松岡正剛さんの、読書という"営み"に対する濃密な思想がみっちりと詰まった…

本日一信

ところでミスミソウ2巻の感想はデータ補完してた下僕のヘマで消えちゃったので、うろ覚えの内容を3巻感想にドッキングさせました。『生ける屍の死』の感想も同時に消えました……悲しい! 以前も似たようなことはあったので、下僕を表に吊すと共に、万が一に備…

『ミスミソウ(3)』

えらいもん読んでもうた……。 本作は惨劇を描いていますが、「あの時ああしていれば」という要素がほとんど見あたりません。物語の分岐はあるにしても、どのルートを選択したところで結局はバッドエンドにしか到達しないという、経路的に閉塞した世界。後から…

『ミスミソウ(1)』

一年近く前に買ったけど、恐ろしくてずっと読めなかったご本。遂に読みました。凄すぎました。原色的というか、土着的というか、人と土地と血にに染みついたような禍々しさ。歪んだ線を描く人ですが、それがそのままこの世界の歪みをダイレクトに伝えてきま…

本日一信

永久不滅.com エターナルフォースドットコム……!

「やる夫シリーズ」とケータイ小説の表現的類似など - 『やる夫がドラゴンクエスト3で遊び人になるようです』

あんそく やる夫がドラゴンクエスト3で遊び人になるようです 【01、02】 「やる夫シリーズ」って1〜2スレッドくらいで終わるやつでしょ? と軽い気持ちで読み始めたら……甘かったです。蓋を開けてみれば、まとめサイトですら28ページに及ぶ大長編。これがま…

"異形"なミステリーがまたひとつ - 古野まほろ『天帝のはしたなき果実』

異形というのはまだ上品な形容で、人によって汚物って言ったりもするかなり酷い作品であるわけですが。 MYSCON10感想、および若者におけるミステリーの現況について。あとうみねこ。 - 魔王14歳の幸福な電波 本作には上記記事でもスペースを取って触れている…

『HEARTBEAT』

1 「10年後に一億円を渡す」という同級生との奇妙な約束、ニューヨークでの地下生活によって失われた数年の空白、等、一人称視点の語り手である主人公自身の「謎」が物語を引っ張るという構図。思わせぶりな謎の牽引力はなかなかですけど、それらの情報はわ…

本日一信

~燃やし賞(表2周目)開催~ 私、id:firestormを燃やしor萌や… - 人力検索はてな を見て昔ゴーストライトしたものを微修正してアップ。新作じゃないので投稿はしません……。

TRY THE PUNGEON!!!!!!!!!!!!!!!

FSW

セラティスは土を触る手を休め、花園の中心で天に向かって背伸びした。世界中の辺境から集めてきた千種万種の花々は、彼女の心尽くしの手入れに応えるよう、鮮やかに咲き乱れている。静かな風に流されて、全ての花びらがいっせいに揺れ動いた。変わりえぬ陽…

勝手な「物語」の押し付け合い - 湊かなえ『告白』

1 湊かなえさんのデビュー第一作にして、本屋大賞受賞作。ミステリーとしては、何らかの「謎」を提示してその真相に迫っていくのではなく、何気ない描写の中に伏線を張り巡らせていき、ある時突然新しい構造を立ち上がらせる、というタイプ。手法としては乙…

本日一信

魔王14歳 (@valerico) | Twitter Twitterはじめました。長続きはしないものです。id:Erlkonigとろうとしたら先人がいました。しゃあないので14歳の時のあだ名を晒します。

『眠る秘訣』という良書

1 良書です。 それが人間の三大欲求のひとつであり、生き方の効率に多大な影響を与える要素であるだけに、睡眠に関する書籍はたくさんあります。その分、うさんくさいのも多いわけで……。典型的なのは、特定の個人特性を持つ人にはよく効く(でもその他の人に…

伏線と描写の区別がない『新しい太陽のウールス』

1 なんで小畑健やねん。 2 『新しい太陽の書』シリーズ、幻の第5巻。80年代に4巻までが訳された時は、続編である本書の訳本出版には至りませんでした。それで長らく未訳になっていた本書が、昨年の前巻新訳によってついに出版。日本では寡訳なジーン・ウルフ…

文芸の進化より解体が見たい

FSW

2009-06-04 - うっくつさん本を読む。 はてなブックマーク - 私たちの文芸には、システマーがいない - 魔王14歳の幸福な電波 次回の記事のための前フリ。 技術が増えればできることも増えるので、そっち方面の期待はもちろんしてます。がー。私にあるのは、…

文芸がだめならアンパンでもいいですよ

FSW

みんなのビジョン - 論理兵站 - ファック文芸部 2009-06-04 - うっくつさん本を読む。 私たちの文芸には、システマーがいない - 魔王14歳の幸福な電波 はてなブックマーク - 私たちの文芸には、システマーがいない - 魔王14歳の幸福な電波 無用な混乱を避け…

架空のゼロアカ道場に架空のアフリカ野生児が飛び込み参加

「野生に磨かれた本質直観! アマゾンのジャングルでゴリラに育てられた天然哲学児ガルタナ・オボンゴが、諸国放浪中の笠井潔に導かれてゼロアカ第七関門に飛び込み参加だァーーーッ!!!」 書く日記がなかったので下僕のすごいどうでもいい発言を無断転載…

私たちの文芸には、システマーがいない

FSW

野球プレイヤー/野球システマー 野球にたとえます。 野球のプレイヤーは、野球をします。プレイヤーは「野球のシステム」を熟知しようとし、「野球のシステム」に則ったハイレベルなプレイを目指します。自身の能力を磨くと共に、「野球のシステム」の中でど…

本日一信

創作文芸のビジョン - 論理兵站 - ファック文芸部 上記記事は、読んだり、ブックマークしたり、言及したり、賛同を表明したりすることができます。私は、読んだり、ブックマークしたり、言及したり、賛同を表明したりします。

『残酷号事件the cruel tale of ZANKOKU-GO』

1 もうタイトルだけでお腹いっぱいというか、「残酷号」ですよ「残酷号」。頭のどういうとこ使ったらこういう格好良さとどうしようもなさを合わせ持ったネーミングをひねり出せるのかと。凄い。タイトルだけ見ると「船上ミステリー?」と思わないでもないで…