2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「論理性」が理解を拒絶するために発揮される物語 - 恩田陸『ユージニア』

横溝正史的な孤村の因習から滲み出るような"澱み"を、近代的な住宅街という舞台に再構築して表現したような。町の名家で起きた大量毒殺事件という不可解の背後に蠢くなにものかの、薄気味悪さがすごいのです。「オカルト」とか「サイコ」とか、そのようなカ…

『Doubt(4)』

完結。 ぱっと見の印象と異なり、けっこうパズル的なところが作り込まれた作品だったと思います。閉鎖区画内で、人物ごとに移動可能な範囲が異なり、また犯人だけはそのルールから解放されているはずである、という。隅々まで理解し尽くそうとすればかなり頭…

「死にたいと騒いでる奴ほど死なない」という主張への反論をひとつ

2009-09-25 この記事を見て、似たような話はタイトルのような件についても言えそうだな−と*1。「死にたい」と言ってる人の死亡率など、実際の統計データは知らないので、その辺は詳しい人に任せますが……。 頻繁に「死にたい」と訴える人の中で、実際に1年以…

『向日葵の咲かない夏』と原爆とか

ヒマワリというなんか爽やかっぽいタイトルに惹かれ、そういう爽やかなお話を期待して購入! 「あなたの目の前に広がる、もうひとつの夏休み」という惹句に嘘偽りはなかったです!(えー) 評価軸を定めづらい作品だなーと。「警察的捜査を誤導する」という現…

SaGa2クリア

ちょっとゆっくりになりましたが、DS版SaGa2クリア。ミンストレルソングのような換骨奪胎ではなく、原作のシステムやバランスをほぼそのまま移植して締めるところを締めた感じ。DS版オリジナルの追加要素を邪魔に感じる人はいるでしょうけど、そういう人のた…

本日一信

明日はDSサガ2の発売日なので今からよだれが止まりません!(だらだら)

本日一信

昨日の日記、ブックマークは0だけどニュースサイト経由で2000人以上見に来てる、というかなり珍しい状況。特に目立ってない記事でも補足してもらえる、というのは大変ありがたいことでありますね。

『ラブプラス』で情報漏洩事故が減る

飲み会 ↓ 酔っぱらう ↓ カバン紛失 ↓ 機密情報漏洩 ↓ (こわくて言えません><) みたいな話が生々しすぎて笑えない昨今、どうにも制御できない社員たちを上手に管理するための施策です。至急『ラブプラス』とNintendoDSを取り揃え、社員たちに持たせましょう…

本日一信

801ちゃんの4巻を買ってきたのであった。

書なる書

FSW

書なる書 - みんなで作る黒歴史ノート の転載。 ここに有限の文字列があり、それはある種の物語の体裁をなしていた。三千世界を経た庭師の娘が終末を齎す神に挑み、そして敗北するという他愛のない話である。この文字列には、それ以外にもういくつかの性質が…

読書眼たる武器を増やすということ - 平野啓一郎『小説の読み方』

小説を読む際の着眼をどのように置くか。そのパターンを多く持っているほど、たくさんの「武器」に習熟した人だと言えるでしょう。 豊穣な解釈のポテンシャルを秘めた作品であっても、対応する「武器」の用意が読む側になければ、「つまらない」か「分からな…

不完全な写像

FSW

不完全な写像 - みんなで作る黒歴史ノート の内容と同一です。 つまり、あなたの目の前にいる私は不完全な写像なのだ。私はあなたにこの意思を伝えようとしたが、私とあなたではあまりにも認識の性質が異なりすぎた。あなたには私が思考する存在であることな…

本日一信

懲りずにこんなことしようとしてます。先行公開的にちょっとリンク。 http://d.hatena.ne.jp/hyperlore/20090902/1251899791

当たり前のように臓物だらけ -『臓物大博覧会』

いつも通りの小林さん短編集。タイトルの印象とは反し、「臓物に注目した作品群」というまとまりにはなっていません。いつも通りの小林さんが、特になんの縛りもなく綴った短編の集合と考えた方がしっくりきます。十作中、最初と最後の二作が書き下ろしなだ…

『月光条例(1)』

なんかもの凄いノリで目の前を駆け抜けていった感じ。これがサンデー漫画というものですか……。このスピードに合わせて読むにはちょっと修行が必要そうですが、乗り切ることができればまだ見ぬ境地まで連れて行ってくれそう。。 童話の登場人物が単に凶暴化し…