スタニスワフ・レム

『泰平ヨンの航星日記』

航星日記。といっても、ワープやら波動砲やらといった超科学はあまりなし。人間のアイデンティティを脅かすミもフタもない物理現象、あるいは人類の慣習や倫理観から外れた文脈に存在する異生命たちの社会や生態、等々々。 大地に自生する家具やら、凶暴化し…

『ソラリスの陽のもとに』

ケールリング人間観という思想があります。これは「自然や神や宇宙や猫といった強大な存在が闊歩するこの世界にあって、人類は怯える弱者以外の何者にもなりえない」みたいな思想なんですけれど、本作に登場する「ソラリスの海」を見ていると無性にこのケー…