乾くるみ

『蒼林堂古書店へようこそ』

白っ! 乾くるみさんの作品にはどれもこれも押し並べて"黒い"という印象があったので、今回みたいに穏やかな話が続くと逆に勘ぐってしまうのですが、本作に限っては最後までその白さを徹底してくれた模様。読み終わって特に悪い仕掛けもなさそうだったのでひ…

『クラリネット症候群』

最近、乾くるみさんの作品が相次いで文庫化されてて嬉しいです! 「評判はよく聞くけど入手は難しい」作家さんという位置づけから、大きく変わる契機にあるののかもしれません……あとは新作さえ出てくれれば。本書に収録されている書き下ろしの表題作は200ペ…

『イニシエーション・ラブ』

わーい遂に読みました! 単行本で出てた頃から、皆がこのご本の話題を楽しそうに語り合うのを指くわえて涎垂らしながら見てましたとも! こんな作品が文庫になるなんて、ほんとに現代っていい時代ですね。 期待通りのあんな作品。沈黙は金ということで、多く…

『リピート』

リピートものは数あれど、改変が次周に「蓄積されない」特性を活かした作品はほとんど前例がないんじゃないでしょうか。アクセルが掛かるまでに分量の半分を要したのはもどかしかったですけれど、『そして誰もいなくなった』のモチーフが見えてきてからは一…

『匣の中』

ミステリー四大奇書のひとつ、『匣の中の失楽』に対するオマージュ作品。 この作品に対する評価は、読む人が「作中で明かされなかった要素」に気が付いたかどうかで大きく変わってしまうと思います。「作中」に書かれていることをそのまま受け入れた場合、本…

【ごきげんよう】『Jの神話』【にははっ、ぶいっ】

うひひひひひひひひ。な、なにこれ。頭悪い。頭悪すぎ。きえええっ。おぎゃあおぎゃあ。フギャーイギッヒ。えーと、なんかある意味リリカル・ミステリー。友桐夏さんの『白い花の舞散る時間』のアレっぷりが好きな人は是非どうぞ……とは恐ろしくてとても言え…