竹本健治

修辞的表現に頼らない数学パズル小説 - 竹本健治『フォア・フォーズの素数』

短編集なのです。冒頭からオチのない詩のような作品が出てきたり、暇な学生がひたすらカレーを作り続けるお料理SFが入っていたり、「四大奇書作家」のイメージとはやや毛色の違う、バラエティに富んだ作品集です。かと思えばトリック芸者シリーズとかえらい…

『匣の中の失楽』

ミステリー四大奇書の一冊とやら。推理小説を愛する十人の若者と、そのメンバーの一人が書きはじめた実名推理小説。そこに起こった殺人事件を中心として、現実と創作物が交錯していく様を描いた長編です。奇数章と偶数章で虚と実が入れ替わるという(でもどち…