荒山徹

柳生十兵衛朝鮮に渡る(いつも通り) - 荒山徹『柳生大戦争』

何を言ってるのかよく分からない記事タイトルですが、荒山先生的にはいつも通りの展開なのでお察しいただければ幸いです。とはいえ本作を最後にこの手のネタを封印されるそうなので、荒山先生の朝鮮柳生モノとしてはいちおうの最終作ということになるようで…

『柳生薔薇剣』

いささかユーモア成分多めの荒山柳生。柳生十兵衛の姉が出てきて、完全に十兵衛のキャラを食います。ていうか今回の十兵衛はただのヘタレで、実戦の描写すらまともにありません。こ、こんな十兵衛見たことない! あねうえー。 というわけで、「女の強さ」に…

事実は公平に、物語は恣意的に - 荒山徹 『サラン、故郷忘じたく候』

柳生とか妖術とか荒山さんお得意の伝記色を抑え、一見すると落ち着いた趣に見える歴史短編集。でもいくら柳生色とか妖術色を抑えても、書いてるのが荒山さんである以上アレな内容にならずにはおれません。破天荒な伝記バトルとかより現実味があり、堅実です…

差別的でもなお面白い作品があるという当たり前のことを、私たちは認めなければならない - 荒山徹『十兵衛両断』

頭おかしいと噂の荒山徹さんを読みました! 朝鮮妖術! 朝鮮柳生! とまああんまりにあんまりな前評判だったので身構えてしまいました。ところが実際に読んでみると剣豪小説としての素の面白さを備えていて、まずはそちらに圧倒されました。史実の曲解捏造も…