貫井徳郎

読者に水をぶっかける - 貫井徳郎『微笑む人』

本作についてはこれ言わないとなんも書けなさそうなので儀礼的に書いときます。「今回の感想は結末の抽象的なネタばらしをします」というわけでご注意をー。 えーと、誰からも好意を持たれる完璧超人めいた銀行員が、とつぜん妻と娘を殺害しました。「本が増…

人を殺した少年達の凄まじき業 - 貫井徳郎『空白の叫び』

凄まじい小説でした。反社会的な問題児、裕福で品行方正な天才、貧しい家庭で質素に暮らす普通の子、3人の「14歳」が全く別々の理由で人を殺すところでようやく上巻が終わり、その後の中巻、下巻では、彼らの「業」がえんえんと描かれていきます。 おそらく…