COMIC

『昴(4)』

うああ。遂に目の前に現れた「自分より強い他人」という壁との戦いが描かれるのかと思っていましたけれど、お話はそんな甘いものではありませんでした。なんか主人公すばるさんが手の届かないところに行ってしまった感。 彼女って、ここまでひたすら「自分自…

『昴(3)』

主人公すばるさんの才能を「魅せる」ために描かれた作品なのだと思います。今のところ、キャラクターなどを含めた全ての要素は主人公の「凄さ」を引き立たせるための配置になっています。単体で映える脇役キャラというのがいないわけですね。 今巻で焦点が当…

『昴(2)』

幼少時代を描いた一巻から時間は進み、十五歳の昴さんが描かれています。とても中学三年生には見えませんけどそれはそれ。 緊張感のものすごかった一巻と比べると、「バレエの道に進む」と決めて一直線に歩み始めたこの二巻には軽快さがあります。どうやって…

『昴(1)』

現在未完のバレエ漫画、という以上の予備知識が全くない状態で読んでいます。"バレエ"という芸術自体についてもよく知らなくて、「マリア・カラスって凄いんですよね」とかそのレベルの酷い認識から。 「難病の弟を元気付けようとする主人公」「主人公の才能…

『HUNTER×HUNTER(24)』

波乗りTUBE……。 発売までの期間が長いのはともかく、ちゃんとお話が進んでくれているのが嬉しいです。一時の『BASTARD』みたく、数年待たせた挙句お話が数分しか進まないみたいなのもありますからね。 心の折れたノヴさんに萌え萌えです。あんなにかっこよか…

『ひぐらしのなく頃に解 目明し編(2)』

表紙の悟史くんの男前っぷり! きゅんきゅん☆ 園崎姉妹を描くならこの人、という感じですっかりひぐらしコミカライズが板についてきた方條さん。要所要所の凄惨なシーンも状況に負けない描写で頑張ってくれています。 いちばんの見所はやっぱり「爪」なんで…

『ひぐらしのなく頃に解 罪滅し編(2)』

『ひぐらしのなく頃に』全体を通じての第五話、「罪滅し編」のコミカライズ第二巻。 今回は直接的な惨劇が描かれることはあまりなく、子供たちどうしの感情のぶつけ合いのシーンが巻の三割以上を占めています。互いを「仲間」と認めつつもこれまで心の底から…

『ひぐらしのなく頃に 宵越し編(2)』

空気読みすぎの魅音さんに全力でアルェーしましたとも! アルェー! ていうか結局なんでもアリですやんけ! ムキー! この作品の企画が練られていたのは「皆殺し編」も出るか出ないかの頃でしょうから、その辺での詰めが甘いのはまあ仕方ないのかも。「うみねこのな…

『それでも町は廻っている(1)』

ミステリー大好きな作者が下町商店街コメディを描いたらこうなるよという。第6話*1の最初と最後を繋げる構成が完璧すぎて、これはミステリーの人の技だなあと感心しました。探偵やトリックは出てこなくとも、ミステリー的な発想が細部に宿ってる感じです。 …

『フリクリ(上)』

絵に魅入るわ構図に魅入るわ台詞に魅入るわでもう大変。漫画という表現媒体でありながら「漫画のお約束」に従ってはくれません。「お約束」の俎上に乗っていないからこそ、漫画表現「そのもの」を真に追求できてもいるんだと思います。 アニメ版を見てない私…

『新世紀エヴァンゲリオン(11)』

渚カヲルさんのエピソードから、劇場版ネルフ制圧戦の冒頭まで。「あの漫画版」が遂にここまで進んでしまったのかと、不思議な感慨を覚えずにはいられません。ヱヴァもなんか大繁盛ですし世の中どうなってるんですか。 大筋をアニメ版と同じくしつつも、細部…

『スティール・ボール・ラン(11)』

まず最初に言っておくジョニィ おまえはこれから「できるわけがない」というセリフを……四回だけ言っていい 冒頭のこの言葉からして「荒木飛呂彦はこれからどこに向かおうというのか」的臭いがぷんぷんします。ここから「ジャイロの回転の秘密の講釈」までの…

『スティール・ボール・ラン(10)』

ピザ・モッツァレラ! ピザ・モッツァレラ! 定期的に飛び出すお二人様のギャグの意図が読めません。第五部でも謎のダンスとかありますけど、最近頻度が多すぎです。荒木さんにかつてない変化!「遺体」の正体は明らかにバレバレのように思えるんですけれど…

『EDEN It's an Endless World(16)』

地球塔! 地球塔! クライマックス来るか来るかとさんざん焦らしておきながら、ここにきて一巻ほぼ丸々脇役のエピソードに当ててしまう遠藤さんは意地悪です。でもこの一冊のおかげで、「クライマックス直前」感は大きく高まりましたね。とりわけ、最後の方…

『EDEN It's an Endless World(15)』

伏線は着々と消化されつつあるものの、同じくらいのペースで新たな伏線も追加されたり。ここ数巻、ラストまでの距離感は伸びもせず縮みもせずという状態が維持されています。それでも、連載初期からずっと引っ張られていた主人公の妹の誘拐問題が落着したの…

『CYNTHIA THE MISSION(5)』

前巻ラストで提示された5on5バトルのための準備巻。次巻も番外編ということで本格的な戦いはしばらくお預けを食った形になりますけれど、ぜんぜん弛緩したところがないのが凄いです。最高に盛り上がった状態で次に繋いだ感じで、引きも十全です。 5on5の数を…

『となりの801ちゃん2』

わーい二冊目。 方向性は一巻と大きく変わるところはありませんけれど、内容の密度はかなり濃ゆくなってます。「Webサイトで公開していた漫画を書籍にまとめて書き下ろしを加えた」形の一巻と異なり、今巻に掲載されている作品はほとんどが書き下ろし。初め…

『ヒストリエ(4)』

待ったのは二十ヶ月、読んだのは二十分。この刹那さもまた漫画を読むことの醍醐味ですね! すみません無理言いました。 目前に迫ったギリシア人との決死戦を前にして、ただ淡々と「その時」を待つ町民が印象的でした。土地を追われるかどうかの瀬戸際に立っ…

『レモネードBOOKS(2)』

わーいバカップルバカップル。重度に本好きな彼氏と、特に本好きというわけではない彼女のお話。 と言いつつも、この彼女さんは実に面白そうにご本を読みますね。本好きな彼氏に合わせてる感じでもなくて、そもそも「何気ないものに楽しさを見出す」ことがと…

『探偵儀式 IV』

ようやくBDCに焦点が当たったと思ったらまた雲行きが怪しくなって、なかなか活躍の場が巡ってこないこの子たち。進展はじりじりじりです。 お話全体の展開の方も、同じくちょっとスピードダウンしてる感。今回はさほど大きな引きもなかったので、また数ヵ月…

『PLUTO(4)』

天馬博士がすごい大物の雰囲気を発していて、どう見てもお茶の水博士以上の風格の*1浦沢版鉄腕アトム第四巻。完結までに数年の時間を要する分、漫画という媒体は小説以上にサスペンスに向いているのかもしれません。じらしじらしー。 「ロボットの死」が扱わ…

『SCAPE-GOD』

同作者の『SYNTHIA THE MISSION』の感想は「面白い」でしたけど、本作は躊躇なく「凄い」と形容したいです。20代のうちに描いていい漫画じゃない、とすら思いました。 いかにも「今風」の絵柄や大量のパロディ群に騙されそうになりましたけれど、この作品は…

『痴漢男』

http://passionate1842.web.infoseek.co.jp/manga.htm 一部で緩やかな盛り上がりを見せてるような気がするWeb漫画。VIP発祥の実話、あるいはそれに見せかけたフィクションが原作です。Web漫画とはいえ、その画力は確かなものだと思います。 仮にも「実話」の…

『よつばと!(6)』を「変わらない日常」と見るのは大人の視点だと思った話

この作品を「変わらない日常」と評価するのは、多分に大人の視点からの物言いなのかもしれません。私たちから見れば穏やかで変化のない毎日であったとしても、よつばちゃんから見れば一日一日が波乱万丈な大事件と不可逆的なまでの変化の連続だからです。 た…

『六識転想アタラクシア』

解脱しては精神世界に飛び、現実で晴らせぬ欲求を満たしては現実に干渉するサイコダイバーもの。と、設定だけ見れば正真正銘のSFなのに、全然そうは見えません。 普通ならSF用語が入るべきところに、何故か仏教用語がてんこもり。究竟涅槃に色即是空。そこに…

『ひぐらしのなく頃に解 罪滅し編(1)』

ひぐらし解決編のコミカライズ第二段。 鬼隠し編と同様、絵が不安定で崩れがちなのが残念なところ。決めゴマにはいい絵もあるんですけれど、「普段の何気ない表現の積み重ね」というところには至っていない印象があります。 今回の主人公のレナさんは、傍目…

『ひぐらしのなく頃に解 目明し編(1)』

「解」編の第一弾。主人公が年頃の女の子ということで、絵柄的にも感性的にも少女漫画度の高い方條さんの作画とはベストマッチな編といえると思います。 原作やってるときは詩音さんが悟史くんのどういうところに惹かれたのかという描写が弱い感があったんで…

『ひぐらしのなく頃に 宵越し編(1)』

「罪滅し編」とよく似た世界で全てが終わってしまった後。本編の時代から二十年後という、遠い未来の雛見沢のお話です。リラックスして天国に行ける魔法のアイテム安眠練炭も出てきますよ。 廃村となった雛見沢に偶然集まった男女たちが怪異に見舞われ、彼ら…

『重機人間ユンボル』

ゲンバー大王は現場主義 優れた工事戦士は歩くより掘る方が速い さあ 働こうか 働きたくねえ いざ尋常に――工事! みかん。なんかもう説明不要。武井さんの才能をちゃんと受け入れてくれる雑誌ってどこなんでしょう。 本編中の台詞回しとかいろいろ異常。ほん…

『SYNTHIA THE MISSION(4)』

女の子が超理論で血を見る格闘漫画。遂に「ちょ……腸出ちゃう……」なんて萌え台詞も飛び出しました。お話としては、主人公のお姉さんにして最強の暗殺者シベール・ロウさんが本格的に物語に躍り出ます。 これまでのこのシリーズは、レギュラーキャラが大怪我し…