『スミレステッチ』が乙女心のお話なら、こちらは恋心の物語ですね。メルヘンがますますメルヘンになっているので、なにもしらずに読むと突然すごい方に飛んでいってしまう流れに面食らってしまうかもしれませんが、山名さんの他の作品を読んで心の準備のある方なら問題なく楽しめるでしょう。
それにしても、この人の作品には随所におじさん要素がちりばめられている気がしてなりません。「光る海光る大空」って、それはたしかエイトマンの歌詞では? しかもやっぱり、女の子女の子している世界とちゃんと融和していますし……。女の子とおじさんの感性が実は似ているという仮説が頭の中にうず巻きつつあります。