『ファントム・ブレイブ』日本一ソフトウェア

ファントム・ブレイブ (通常版)
やきぶたー。
ひとまず本編はクリア。隠し要素はいくつか残ってますけど、それまで制覇しようと思ったら本編以上に時間をかけてしまいそうなのでここでひと区切り。プレイ時間は50時間強といったところでしょうか。
前作の『ディスガイア』の評判が良かっただけにどうしてもそれと比べちゃうわけですけど、ゲームとしての方向性が『ディスガイア』とはかなり違っています。「『ディスガイア』みたいなもの」を求めてプレイすると肩透かしを食らっちゃうかもなので、下に書いたとおりあんまり意識しないしない方が幸福かなと思います。
システム面について、「やりたい放題」という売り文句は嘘ではないでしょう。『コンファイン』『リムーブ』のシステムなど、厳しいくらいの制限はたしかにいくつか存在します。でもその制限の中で試行錯誤することが、結果としては様々なバリエーションでのプレイに繋がってくるという印象です。つまり『ディスガイア』のような「制限が少ないことによる自由度」とはまたちょっと違った方向性ですね。ただ単に制限を排除することよりも、ひとつの最適解を存在させないことの方が自由度を広げるんじゃないかと思ったり。(そういえば自由度が高いと言われている「サガ」シリーズだって、決して制限が少ないというわけじゃありませんよね。逆系統の術を覚えられなかったりしますし、制限はむしろ厳しいとさえ言えるでしょう)
ストーリーについては、「善良なキャラクターによるいいお話」という感じ。でもいいお話すぎるという印象もありました。主人公のマローネちゃんは行く先々で人々に酷い扱いをされるんですけど、そのことで相手を責めるということは決してなく、すぐに許しちゃって困っている彼らを救おうとします。このとき相手の謝罪らしい描写などはほとんどないので、(当のマローネちゃん自身はそのことを全く気にしていなくても)プレイヤーの方が納得できない、ということがあった気がします。マローネちゃんの無邪気な純粋さが、受け手によっては無知な無神経さに映ってしまいかねないという危険性ですね。『ディスガイア』のときは「ひねくれ者なキャラクターによるいいお話」だったので、半分ネタのような展開から変化球的に上手く感動に持って行けたんですけど、今回はいわば直球の「いい話」なので、手際にちょっとぎこちなさを感じてしまいました。でも終盤の盛り上がりはなかなかのものですし、なによりそれこそ「いいお話」なので、とにかく変な邪念を捨てて楽しめばいいかなと思います。
まあ何にせよ、それなりに楽しめたゲームでした。去年から今年にプレイした市販ゲームの中ではベストでしょう。(他のゲームはほとんどやってませんけど) 『ミンストレルソング』が発売されるまではまたちょくちょくプレイしてみるかもですね。
あとウォルナットさんはいわゆる「へたれ」です。これは譲れません。(へたれさんはわりと好きです)