『ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス』上遠野浩平

ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス (電撃文庫)
スプーキー・エレクトリック! スプーキー・エレクトリック!
今回もスプーキー・Eさんが大活躍嘘ですごめんなさい。でも彼って闇でブギーポップさんと凪さんに次いで三番目くらいに登場冊数の多いキャラクターですよね。恐ろしい恐ろしい。
ビートのディシプリン』のような超能力バトルものというよりも、超常現象パニックものですね。今作の方が状況は閉鎖的で局所的ですけど、『ホーリィ&ゴースト』あたりのノリに近いかもしれません。同シリーズ・他シリーズとのリンクはこれまでにも増して顕著。ここに来てさらに風呂敷を広げようとしている感もありますけど、『ブギーポップ』としてのお話自体は収束する方向に動いているような気がしないでもありません。
上遠野さんの作品世界そのものが大好きな人なら、作品間のリンクが色々なところに散見するこういった状況は楽しくてたまらないでしょう。でも逆に個々のお話自体に注目したい人からすると、そのあたりの複雑なつながりが邪魔なものに見えてしまうかもしれませんね。既刊ももう四冊や五冊ではなくなっているので、読み返して繋がりを思い出そうとするのだけでも一苦労ですし、登場する固有名詞にピンと来なかったという人も多くなってきたようです。例のあの人とかあの人とかの名前が出てきたとき、大喜びする人と「またか」と思う人とで反応が二極化してきている気がしますね。
とりあえず四つのナントカが何を指すのかに期待。(二つは確定として、残り二つはもしかしたらアレとかアレとか) あと相克渦動励振原理っていう響きが妙に格好良いです。そうこくかどうれいしんげんり。