『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル(7)』

終わりのクロニクル〈7〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)
頭悪っ! 頭悪っ! 物理的にこんなに頭悪い本を読んだのは初めてです。『魍魎の匣』の三倍くらい疲れました。参りました。
密度がありえないと思います。400ページの間に進んだ時間がせいぜい一時間ってどういうことですか。挿絵の枚数自体はいつも通りだったので、ページ数に比して出現頻度が減ってしまったのはちょっと残念。しかもそのうち二枚がアレですよ! 一枚目が出た時点で安心しきってましたのに! (まあ、章扉絵はちゃんと二倍増量になってるので)
とにかく、いつも通りの川上さんをやり抜いたという印象。構図としては同じことを繰り返しているとも言えますし、特に新しいことに挑戦してるわけでもありません。けれど逆に、これまでの川上さんの集大成ともいえるような作品でした。本当に、これでひとつの大きなものが終結したのだと感じます。
大局的にも局所的にも、これで終わりかと思ったらその次が――的展開の連続なので、同じテンションのまま一気に読めるという意味で一冊にまとめたのは正解だったのだと思います。こいういう題材でありながら現実問題としての戦争はまったく描かれてませんけど、良くも悪くもだからこその川上さんなんでしょうね。とりあえず中国がめっぽう格好良かったです。あと大城全部長も格好いい見せ場もらえて良かったですね。(えー)
ところで、本書を読みながら色んなところで萩原一至さんの『BASTARD!!』を連想してしまいました。優勢と劣勢の入れ替わりをとにかく繰り返す構図とか、時間の流れがやたらと遅いこととか。ノアの戦力のネーミングなんてそのまんまですし、全編無意味にやらしーですし。で、それがつまり何かというと、例の自動人形や武神のビジュアルイメージが無駄に濃ゆいアレになってしまって非常に困ったという話です。