『荒野の恋 第二部 bump of love』

荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)
『恋は女をこどもに、男を地下組織にする』この章題はありえませんね。いろいろな何かが明らかにずれていると思います。どうしてこんなの思いつくんでしょうか。単に響きがヘンなだけならともかく、読んでみるとちゃんとそういうお話になっていることが衝撃です。あと家のヌシモードの蓉子さんがファンタジーだと思いました。実は妖怪だったりするのかもしれません。
主人公の荒野さんにしても他の人にしても、次にどんな感情や言動が来るのかぜんぜん予測ができません。そのくせ実際に行動を目にした後なら、どういう心理の推移でそうなるに至ったのかがあまりにも自然に理解できてしまいます。このあたり、恋愛をミステリーとして扱うという本作の基本構造と関係があるのかもしれません。ここで表現されている世界はもう私の言語化できる領域を軽く越えてしまってるのでこれ以上書く言葉も思いつかないんですけど、とにかく読みながらびっくりし通しでした。