『GOSICK V -ベルゼブブの頭蓋-』

GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)
ドリルー。もひとつドリルー。
ごしっくぶい。久城さんがかわいいやら格好いいやらで大活躍でした。このままだとヴィクトリカさんがいらない子になっちゃいそうで心配です。あとミシェールさんがものすっごい萌えキャラですね! わぁい! ドリル警部の出番が少なかったのは寂しかったです。あのラストから考えると、次巻でも彼の活躍はあんまりなさそうなのが残念。早くいいとこ見せてください。
で、毎回書いてることをまたしつこくを繰り返しますけど、やっぱりこのシリーズってミステリーとして見るべき所はあるんじゃないかなあと。もちろん「殺害に用いられたトリック」のみに着目するのなら、本シリーズで示されるのはどれも陳腐とすら言える使い古された仕掛け*1ばかりです。けれど「過去や背景までを含めたひとつの舞台」の中で起きたものとして殺人事件やその他いろいろな伏線を捉え直してみると、ある確固としたルールに基づいた綺麗な構造が見出せるように思います。それは「謎解きやどんでん返しによるカタルシス」というよりも、「精巧に作られた模型を見せられたときの感動」に近いもので、つまりミステリーとしては実は伊坂幸太郎さんやひぐらしなんかと似た性質を持ってるんじゃないかなー、みたいな。
ところで「ブラック・ヴィクトリカ」と聞いて、すぐさま「それどこのブラック趙公明?」とか思ってしまいました。しかも映像宝貝だし。無駄なところで符合されて困ります。あと141ページの挿絵はいろんな意味でライトノベルの挿絵じゃないと思いました。

*1:特に今回の種明かしなんて図解付きのアレですし。