『鼠と竜のゲーム』
遂に読みました人類補完機構シリーズ。すごうく面白かったです。『スズダル中佐の犯罪と栄光』の猫のくだりで興奮が臨界点に達しました。格好良すぎ。上遠野浩平さんなど一部の作家に見られる「共通の世界観を持ちつつも各々独立して語られる作品群」という形式の原点は、この辺にあるのでしょうか。人類補完機構がわりと俗で具体的なシステムだったのは意外でしたけど、それにしても
「監視せよ、しかし統治するな。 戦争を止めよ、しかし戦争をするな。保護せよ、しかし管理するな。そしてなによりも、 生き残れ!」
この思想は格好良すぎます。時間を超越して人を導いていく意思というか、こういうの大好きです。
で、噂どおりアンディー・メンテのキーワードが頻出しまくったので、そこでまた狂喜乱舞してました。「ノーストリリア」とか「スズタル艦長」の元ネタがスミスさんの作品だとは聞いてましたけど、まさか因果律干渉体なんてものまで出てくるとは。雰囲気も、まさにそのままAMの原点という感じ。このシリーズを読んだことがあるかどうかで、AMを見る目もまた違ったものになることかと思われます。
とりあえず以下に気付いた元ネタを書き出してみましたなんとなく。
- ノーストリリア→古の超科学文明ノーストリリア(=地球)
- サンタクララ薬→サンタクララ薬(戦闘不能復帰アイテム/ストルーンの羊毛より作られる長寿薬)
- 人類補完機構→ゴート機構(ロード、レイディからなる七賢人によって統括)
- ヴォマクト→黄金王ヴォマクト
- 燃える脳→燃える脳(精霊値倍化アイテム)
- 猫人→猫人(そのまんま)
- スズダル中佐→スズタル艦長(過失によって猫人の星を創ってしまう)
- 第三級因果律干渉体の少女→ネメシス(言葉ひとつが聞く者の幸せひとつを消滅させてしまう特異干渉体の少女)
- ク・メル→C・メル/C・ステフ(ノーストリリア産の猫人)
ていうか何の脈絡もなくいきなり猫が出てきては重要な役割を果たしたり果たさなかったりするあたりがいちばん顕著な影響かなあと思いました。