『ひぐらしのなく頃に 綿流し編』まとめ(再プレイ5)

クリア。前半のラブコメパートはやはり冗長で、クライマックス後の展開も多少長すぎる気がしましたけれど、全体的な構成は前作鬼隠し編に比べかなり改善されていたように思います。ところで改めて読み直すと、圭一さんってこの時点ではまるでギャルゲーの主人公みたいですね。(あたりまえ) 作中でいちばん性格が変わったキャラクターは、実は主人公である彼自身なのかもしれません。圭一さんは今年の公式人気投票で全ヒロインを抑えて一位を獲得してしまった驚くべき男性主人公ですけれど、そこまで評価された要因はこの時点ではまだ現れてはいません。
ひぐらし全体として見ると、なかなか特殊なお話ですね。今回だけは、形式上のものとはいえ「犯人役」「探偵役」がわりとはっきりした構成になっています。一応の探偵小説的解答も与えられ、わけの分からないまま閉じられた全作に比べて事件の全貌がかなり明らかになった印象。お疲れ様会でのフォローがなければ、「真相分かっちゃったじゃん」と思う人がいても不思議では……うーん、どうなんでしょう。まあ実際、全編の中でもっとも推理小説的アプローチのしやすい作品ではあります。それだけに意地が悪いと言うか何と言うか。
魅音編ということですけれど、今回もレナさんが光ってました。前作では典型的なギャルゲー風ヒロインとしてしか描写されていなかった彼女ですけれど、今回は遂にその枠から外れた言動を見せはじめます。身体性の獲得というか何というか、前作でのアレがあるだけに、初プレイの人はここで彼女のことが余計分からなくなると思います。
それにしても、皆殺し編までプレイした視点でもう一度このお話を見てみると、魅音さんが……魅音さんが……。(・3・)