『EDENIt's an Endless World (14)』

EDEN(14) (アフタヌーンKC)
遂に主人公の妹・マナちゃんの救出作戦が実行に移されました。懐かしいメンバーも終結して、まさに総力戦といった風。体内にナノマシンを埋め込まれたマナちゃんはいつバラバラに吹き飛んでもおかしくなく、厭な不安と緊迫感が常について回ります。

ヒロイン級のキャラクターがやたらと惨殺されまくるこの作品にあっては「主人公の妹が死ぬなんてことはないだろう」という物語補正*1は一切働いたりはしません。やたらと人を死なせすぎるせいで「その場を盛り上げるためだけの安易な殺人描写」という批判もありますけれど、主人公の妹や恋人がどの瞬間に物語から退場しても不思議ではない空気感を育てることができたのはひとつ功績でしょう。

このままストレートに行けば次巻でマナちゃん救出作戦にケリがつき、物語は遂にプロパテールやコロイドを相手に回したクライマックスへー、という流れになるんでしょうけど、サブタイトルがサブタイトルなだけに果たして一体どうなることやら。いっつえんどれすわーるど。

貞本さん版のエヴァンゲリオンが佳境に入ったりエヴァンゲリオン新劇場版の製作が発表されたりしているこの時期に、コロイドを用いて人類補完計画の先を描こうとしているこの作品がどういう結末に落ち着くのか、とても興味深いところではあります。

*1:それどころか下手をすればマイナス補正。