「ゆらぎの神話」入門(1) すごくおおまかな世界の概要

えーと。まず陸があります。周りに海があります。そんで上の方には空があります。

と、こういったやる気なさげな根も葉もない説明にも呆れてはいけません。ここで油断すれば奴ら(誰)の思うツボです。

たとえば、「陸」というのはもしかしたら「リク」ではなく「トントロポロロンズ」と読むのかもしれません。「トントロポロロンズ」というのは、あちらの言葉で「お豆腐」のことです。この世界の人々は、お豆腐という非常に脆く柔らかい危険な足場の上で生活しているのかもしれません。少しでもバランスを崩せば白いお豆腐の中に深く全身が埋もれてしまい、二度と這い上がることはできません。外を出歩くのも命がけです。大変です。

「周りに海が」というのも同様です。もしかしたらこの「海」は、「陸」の上側をもくまなく覆っているのかもしれません。つまり、「海」の中にお豆腐が一丁浸けられているという構図になるのです。「上の方には空が」というのも、地図で言う「上」、つまり「北」の方角に「空」という地名のでっかい大穴が口を空けているーという意味なのかもしれません。ちなみに、実際は今まで大地が豆腐という説が出たことはありませんが、納豆神群というのは実在します。

と、適当なことを言いましたけど、要は「ゆらぎの神話」はこの程度のデタラメなら軽く許容範囲ということです。以前「この世界の大地はかつて平面だったが、現在は球体だ。戦争に負けた妖怪や妖精を詰め物にして、むりやり丸めてしまったからなのだ」という無茶苦茶な説を提唱した人がいましたけど、今ではこれが定説になっています。

「実はこの世界の人類は十本足だった」とか、「性別が四つある」とか言い出しても、それはそれとして普通に馴染んでしまうでしょう。このように、「ゆらぎの神話」の世界観は基本的にかなり大雑把なものなのだと思ってください。