『ひぐらしのなく頃に 鬼曝し編(2)』
すごくよい出来。事件の成り行き自体は原作を考えると妥当なところだったと思いますけれど、結末のシメ方が素晴らしいです。事件のオチが云々よりも、こちらの方が予想外。テーマ的な完成度の高い、この上ないラストだったと思います。竜騎士07さんに最もに欠如しているパラメータは「洗練」なので、まさかひぐらしで完成度の高いお話に出会えるとは思っていませんでした。きっと、鬼頭さんと編集さんの努力の賜物なのでしょう。
ホラー・サスペンスとしても、悪くない水準に達しています。本書中盤なんかは、その後の展開が予想できていてさえ息を呑むんでしまったくらい。これも鬼頭さんの力でしょう。メインである夏美さんと暁さんは、共に原作にはいない生真面目なキャラクターでなかなか新鮮。特に暁さんの寡黙っぷりの格好いいこと格好いいこと。あとおじさんコンビの若い方も。
ひぐらしはこの夏の完結編で終わってしまったものだという意識がありましたけど、決して全てが途絶えてしまったわけではないのだと気づけて、少し嬉しかったです。外伝やファンディスク、コンシュマー版などはまだまだこれからの話ですし、作品の影響は様々な受け手作り手に受け継がれていくはずです。竜騎士07さんもぼちぼちと次回作のことを考え始めているようですし、作品が終わっても作品が消えることはないのでしょう。まあ、『うみねこのなく頃に』というタイトルはさすがにどうかと思いますけど。