中二病を見下すな - 暗黒エネルギー

久々にストレートに腹が立ったので感情的に書き殴ります。(1/16追記:文芸社共同出版の形態がマズいという話についてはid:kanoseさんのとこのこの記事をどうぞ)

エターナルフォースブリザードが面白いのは、最後に脈絡もなくくっ付く「相手は死ぬ」などの変な言い回しのためです。「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」も同じ系列でしょう。邪気眼ラ・ヨダソウ・スティアーナは、フィクションの格好良さに憧れるあまり表面だけその真似をしてしまうというところにおかしさがあります。

これらの設定はよく面白おかしく語られますが、実のところそんな珍しいものでも幼稚なものでもありません。何でもいいから思いついた作品の要素をちょっと箇条書きにしてみれば、そのことが分かるでしょう。どんな作品だって、要素を抜き出して並べるだけで簡単に「それっぽい設定」と言い張ることは出来るのです。

実際は、それらは「未加工」であるだけです。「未加工」な素材だけを作って満足してしまう中身が伴わない行為には確かにおかしさがあって、私も自虐的な共感と自戒をもってネタにすることはよくあります。けれどリンク先では、「未加工」なものそれ自体を痛い痛いと見下す空気が出来上がってしまっています。『天は赤い川のほとり』だって『ネバーエンディングストーリー』だって『五分後の世界』だって似たような逆落ちモノの筋書きなのに、彼らはこの作品のストーリー自体が痛いと言ってのけるのです。

エターナルフォースブリザード邪気眼ラ・ヨダソウ・スティアーナ、こういった概念は中二病と隣接していますが、イコールなものとして語るには少し範囲が限定されます。だから私はこういった衝動のことを、暫定的に「暗黒エネルギー」と呼んでいます。ゆらぎの神話でもいくつかネタにしています。

でも、私だってときどき小説を書いたりする人間です。だから、暗黒エネルギーが表現の第一歩を踏み出すための重要なパッションであることを知っています。暗黒エネルギー暗黒エネルギーのままで終わってしまうのは、確かに滑稽なことでしょう。けれど、その先に聳える世界の果てを模した壁を突破することで、暗黒エネルギー暗黒エネルギーでない何かに変わるはずです。

id:kashmir108さんが中二病グループ(g:chu2)というのを作られていて、ここでは私の言葉で言う「暗黒エネルギー」が扱われています。私もこのグループに絡めて何かしたいと考えています。でもここで中二病を扱う際、それが上から見下ろすような姿勢になってしまわないよう、この件について少し考えなければならないと思いました。

自戒として、元長柾木さんのこの言葉を胸に刻んでおきたいです。