魔王がいつまで経っても世界征服できない理由

 えっと、これは本当は内緒なんですけれど、まあ連中のきゆら系への監視なんてザルなのでぶっちゃけちゃいますと、魔王がいつまで経っても世界を征服できないのは魔王委員会と勇者協会の幾星霜に渡る癒着が原因なんですよ。それはもう根っこから、今更引き剥がせないほどべったりなんです。

 なんかいろいろと取り決めがあって、「勇者が旅を始める町の周りには可能な限り弱いモンスターを配置せねばならない」とか、「勇者との交戦中、魔王およびその幹部以上の配下が全快魔法によって治癒されることは赦されざる行為であり、厳格にこれを禁じる*1」とか、「規定以上の難度のダンジョンにおいては、定められた箇所に必ずセーブポイントを配置すること」とか、あとは「魔王が幼女である場合に限り以上の規約を免除する」とかですね! 「ただし外見上の特徴が12歳に満たないものを幼女と定義する」ですってよ! きいいっ!

 とにかく内規ががんじがらめなもので、思わぬ弊害が出ることも多々あります。『ゼノサーガ』とか、3DマップのSF世界が凄くリアルなのに、部屋の真ん中に場違いな宝箱が堂々と置かれてあったりして凄く不自然でしょう? あれも、条文に「ダンジョンには規定以上の水準の宝箱を難度に応じて配置せねばならない」っていう項目があるせいなんです。責任者も最初はもっと自然な形でさりげなくアイテム配置しようとしていたそうなんですけど、宝箱以外の形態だと何度申請しても書類が通らなかったそうで遂にキレてしまったとか。連中、まるっきりお役所仕事なんですよ。

 そのくせ仕事は中途半端にやらせようとせっついてくるので、定期報告の間に合わせるため魔王は皆焦って結果を出そうとするわけです。しかも委員会の上層部はけっこう元協会の天下り連中が仕切っていたりして、報告の周期も人間的なタイムテーブルに合わせられています。まあ社会に出ればどこだってそうなんだと割りきって諦めてますけどね、それにしても私らが汗水たらして働いてるときにトップの委員長と会長は今日も仲良くアカシウス寄宿舎学園でがぶがぶやってるのかと思うとなんだか納得いきません。こんな世の中に誰がした! あのアルセス野郎

追記(7/18)

 この手の「なぜ魔王」問題的なものが好きな人は、幻想戦記 - ファイアマインドの住み処を読めばいいと思います。

魔王の体は死後13に切り裂かれ各地に封印された。なぜ13かというと、固くてそれ以上切れなかったのだ。

*1:シドーさんは条文ちゃんと読めてなかったみたいです。馬鹿なので。