「皆殺し編」其の五「対決」

  • あんじょうすったらん! ほんますらっしゃたったらん!
  • きみよしハッスル! 鬼ヶ淵死守同盟の血が騒ぐ!
  • ガチャ「所長はいません」 はやっ!
  • 議員バッジ☆キラーン
  • ばっちゃのツンデレっぷり……!

 遂に雛見沢の本陣に乗り込む部活メンバー一同。ところでこの辺りのシーン、原作では集会所の話し合いの時点で老若男女入り乱れた大乱闘に至る殺伐っぷりを見せていました。かつて武闘派で鳴らした公由村長も鬼の形相、もちろん圭一さんをはじめとする子供たちのテンションも最初からクライマックスだったわけです。

 お話をスムースに進めるためか、アニメ版の老人たちの対応は穏やかなものでした。でもそれに対する圭一さんのテンションは原作を引きずってしまっていたようです。限られた時間では匙加減が難しかったんでしょうけど、基本的に落ち着いた大人の対応を取り続ける老人たちに対してあれは態度がちょっと乱暴すぎましたね。

 老人たちを前にして圭一さんが読み上げた「一人に石を投げられたら二人で石を投げ返し〜」という台詞は、元々は雛見沢の結束を促すためにお魎さんが作った標語です。実は集会所に飾ってある額縁をそのまま読み上げただけなんですけれど、雛見沢の精神を表すこの言葉だからこそ老人たちの心を打ち、役所との癒着という自分たちの矛盾に気付かせることができた……という。

 この標語を話題に出すのは原作ではレナさんの役回りだったんですけれど、圭一さんにアジ演説っぽく謡わせることで原作の大乱闘とは別の形の表現ができていたとは思います。基本的に口先の魔術師なので、一人語りが入るぶん胡散臭さもアップしてましたけど。

 お魎さんは雛見沢に三人居るラスボス*1の一人なので、「なんて迫力だ」と台詞で説明するのでなく演出として魅せてもらいたかったところです。怖い顔はありましたけど、どうも後で出てきた鉄平のドアップの方が迫力あった気がしました。一期で見せた顔芸の本領を今こそここで発揮してもらいたかったなあと。

 原作だと圭一さんの言葉が過ぎた暴言には決して聞こえず、存在自体が暴言というか実効的暴力であるお魎さんの雰囲気に完全に呑まれていたんですけれど、やはりこういうのは映像だと逆に表現が難しくなるのかもしれません。そういえば、コンシュマー版でもお魎さんの立ち絵は用意されませんでしたし。まさに妖怪。

 市議・県議チームよる屈指の名台詞「前原圭一くんはいるかッ!! どこだ! 間違えるな、我々は君の味方だ。さぁ圭一くん、君が代表だ」は全面カット。残念。(私が好きなだけ) 全体的に役所が悪者にされていて、所長のヘタレっぷりにも磨きが掛かっていましたね。お役所仕事の大変さを短い尺の中で説明できるわけもなし、この辺の変更は妥当だったんだろうなと思います。

 沙都子ちゃんの救出を経て、次回はいよいよ後半パート。アニメ的に面白くなるのはここから、という気がするので、これまで溜めてきた分を一気に発散してもらいたいと思います。

*1:あとの二人はレナさんと×××さん