『昴(4)』

昴 (4) (ビッグコミックス)

 うああ。遂に目の前に現れた「自分より強い他人」という壁との戦いが描かれるのかと思っていましたけれど、お話はそんな甘いものではありませんでした。なんか主人公すばるさんが手の届かないところに行ってしまった感。

 彼女って、ここまでひたすら「自分自身」とだけ戦っているんですね。四巻にもなりながら、この作品ではまだライバルと言えるライバルが登場していません。目の前に現れる壁といえば、自分自身のモチベーションとかそういったものばかり。他人とは比較にならない高みを独走し、ひたすら孤独に戦い続けるというのがこの作品の基本なのかもしれません。

 といっても、そのすばるさんすら「当て馬」でしかないという真の天才がこの後ろに控えているらしいことも、この四巻では仄めかされています。もしかしたら、その人こそすばるさんのはじめての「ライバル」として現れてくる存在になるのかもしれません。