『BASTARD！！ (25) -暗黒の破壊神-』

　今回の要約：ぶつかって砕けた

「どひー嵐のような戦いと思いねえ」の一行でまとめられるような描写のために、ご本をまるまる一冊使い切ることに一切躊躇しないこの態度。にも関わらず、ひとコマひとコマの情報量は薄まるどころか限界まで高密度に圧縮されています。これは一体なんなんですか。

　ものが分かってない頃は「萩原働け」とか「早く新刊出せ」とか愚痴ってましたけど、萩原さんはこの作品に対して決して妥協していないのだと、今さらになって気がつきました。そりゃ、妥協なんてしてたら生活つき詰めてまでこんな描き方しないでしょう。

　だから萩原さんは、編集部に対しても読者に対しても恭順しません。それで結局、多くの読者の声に反するこんな作品が出来上がってしまうんでしょうけど、ほとんど誰からも喜ばれない作品を命を削って描き続ける作家が一人くらいいたっていいじゃない、みたいなことを今は思います。

　萩原さんの結婚生活が、ものすっごく心配ではありますけれど……。