『今日の早川さん(1)』

今日の早川さん

 みんなが二巻で盛り上がってる時に一巻を読んでる私のアンテナ速度は遅すぎます。いえ、発売当初に買ってはいたんですけれど……。

 ジャンル毎に極端な性格の人々が書き分けられています。ライトノベル読みの富士見さん以外は他ジャンルの人に対抗心燃やしまくり、ことあるごとに火花がばちばち飛飛び交いまくり。ただしその様を解説する作者さんの言葉はいたって冷静で、驕れる彼女らに対して静かでありながらも辛辣な警句が記されることも少なくありません。作中人物と作者、ひとつのお話が視点の異なる二つの段階で同時に語られている様が、妙におかしかったです。

 それにしても、この作品で様々な作品が引用されるのを見ていると、世の中まだまだ沢山の面白い本があるんだなあと思えます。ぼうっとした生活を続けてるとつい既知のジャンルばかりに目が行ってしまいますけど、この本はいい刺激になりました。SFもホラーも文学もまだまだ知らない世界が広がりまくりです!