ハイパストリー/hyperstory

 その起源をヴァニヴァー・ブッシュに求めるにせよ、それ以前のより素朴な注釈手法に求めるにせよ、我々は今やハイパーテキストという概念を知っている。我々には、用意されたテキストを頭から尻まで順番に読んでいく以外の方法が与えられている。テキスト中に現れたハイパーリンクを辿ることにより、あるテキストから離れた場所の別のテキストへ、テキストの非連続的読解を実現することが我々には可能である。

 これはまた、物語にも言える。物語の頭から最後までを時系列に順番に読んでいく以外の方法を、我々は選択できる。物語のある時点から物語の別の時点へ、あるいは別の視点へ、別のスケールへ、別の現実へ、別の次元点へ、我々は不連続に移動しうる。このような物語の在り方、物語の体験の仕方を、我々はハイパーストーリーなり、ハイパーナラティブなり、ハイパーテリングなりと呼ぶことができるであろう。すなわち、今我々が目にしている"これ"こそがそれであり、また私の主観の感じ方もそれに等しい。 

 覚えたばかりの言葉を使いたがる病気。