『円環少女(5) 魔導師たちの迷宮』

円環少女(サークリットガール)〈5〉魔導師たちの迷宮 (角川スニーカー文庫)

 まさかここまで追い込むとは。主人公が状況的に追い込まれてているのは、まあ読めば分かります。でもそれ以上に、作者さんはずいぶん厳しいところまで自分を追い込んでしまったなあと思います。だってこのテーマって、"絶対に答が出せない"類の問いなんですもの。学生闘争なんてもろに社会的ディープな要素に接続してしまって、この作品のテーマ的問いかけをより現実に近いところに降ろしてしまいました。

 「この人はこのテーマをどう解決するつもりなんだろう?」っていう興味深さで引っ張られる作家さんです。そういう意味で、私の中でのこの人の位置づけは竜騎士07さんと近いところにあるのかもしれません。もっとも竜騎士さんと違って、読みながらストレートに「面白い!」とぐいぐい読める作風でもないし*1、既刊もけっこう出るしで、読み進めていくのになかなか時間がかかるのですが……。

 で、それはそうと巻頭絵の「呑まなきゃやってられませーん」の人が最初誰か分からなくて、新キャラかな? まあ本編読んでれば分かるだろうと最後まで読んだけどやっぱり分からなくて、うーんと考え込んだ後あわわもしかしてと思って表紙見てようやく気づいたんですがもしかしてこれ京香姉ちゃんですか!  あ、あわわ!!

*1:節子それえこ贔屓や。