おへんじ

甘え」という言葉に関しては、目前の状況に対してちょうど当てはまる事例として挙げたものです。引用文をあのように解釈し、自己責任の下で選択したのは私です。状況としては、辞書に載っている言葉を選択して使うの変わらないと考えます。必要であれば、なぜその言葉を選択したかという「自分の考え」を説明することはできます。

 ただし、本論自体は引用文をリンクする手前で述べているので、大枠としてはこれで一通りのことを言っています。(「自分の"内在律"を他人や世界に当てはめて、相手がそれに従ってくれないことを不当に感じるような思考パターン」)引用部分を除外して狭義の「自分の言葉」のみを問題としても、私の主張は特に変化しません。

「自分の言葉」か「他人の言葉」かという発言者の属人的な要素は議論の内容に影響しないので、「それが自分の言葉である」と主張するのはこのくらいにします。いずれにしても両者は連続的に繋がったものなので、いくらでも恣意的に解釈できてしまう話です。一方が「こうだ」と主張すると、平行線にしかならないでしょう。

 本論について。

  • 件の記事では、pixivユーザーやアンカーらが行うべき「より好ましいアクション」が想定されています。(a)
  • 彼らが「好ましい理想的なアクション」を取らないことを、記事は非難しています。(b)
  • ただし、このような非難は、「相手が自分と同じ価値評価基準を共有している時」に成り立つ非難だと考えます。(c)
  • そして、記事が言及対象としている人たちが、snakefingerさんと必ずしも「価値評価基準を共有している」ようには思えません。(d)
  • そういう場合、なぜ自分の価値基準が採用されるべきなのかを説明し、対象に納得させる態度が必要になります。これが「思考のワンノブゼムとして別視点を提示する」のことでしょうし、これは全く正当な試みです。(e)
  • 別の関連記事に「本当にわかってもらうの難しいんだね」とあるように、これを実行するのは困難で、相当の力を持った言葉が必要です。「わかってもらう」までは「わかってもらえていない」のだから、その段階で相手への非難を発するのは「自分の"内在律"を他人や世界に当てはめて、相手がそれに従ってくれないことを不当に感じるような思考パターン」と考えました。*1(f)
  • 「人に無闇に迷惑をかけてはいけない」「自分の利害によって主張を変えてはいけない」といった暗黙の共通価値基準を想定して語るのは問題ないと思います。*2実際の議論でも、"程度問題として"ある程度の暗黙了解が選択されているのが普通でしょう。ただし件の記事の内容については、pixivユーザーやアンカーが暗黙の前提として無条件に共有しているとは考えがたい価値基準が含まれていると考えました。*3(g)
  • あるいは、snakefingerさんはそうは考えておらず、「理由は自分で考えろ」の件などはやはり説明するまでもなく皆が理解できるべき話題であったのかもしれません。その場合、snakefingerさんはこれらの判断を「強要」とはみなさないでしょう。snakefingerさんがどこに線を引くかは当然snakefingerの判断によるもので、その判断について私はこれ以上のことは言えません。(h)
  • ですが私は、それを外から見る 1 of them の自分の意見として、あのブックマークコメントを残しました。(i)

 詳細に書くとこれだけの文章量になる話を100文字制限のブックマークコメントで書こうとしたのは、無理があったかもしれません。ただし本旨は全く変わっていません。付け加えるなら、snakefingerさんがアンカーと呼ぶコメントの中にも、これと同じくらいか、それよりはるかにロジカルな下地があって発言しているものは当然あると推測できます。「「意見A」に対して、「意見A'」、「意見A''」、「意見B」と分かれていく」のをよしとすると言いつつ、その意見の元となるはずのコメントを片端から切り捨てているのに疑問を感じます。

 なお、snakefingerさんが私のブックマークでの発言後に追記された文面についても、本記事の内容がある程度の返答になっているかと思います。上記のような理由で私はそれが「強要」だと考えましたし、「強要」することさえないなら「意見A、意見A'、意見B……」という拡散はぜひ推奨されることだと思います。以上の内容で私がsnakefingerさんに「卑怯者」と判断されたとしたら、それ自体は私には何とも言いようのないことですが、何か説明の必要があればそれを書くことはできます。

*1:たとえば、bardiche-assaultさんに対する「理由は自分で考えろ」という一回目の反応。また、特殊すぎることはないけれど無条件の常識というわけでもないインターネット作法を大前提としたブックマークコメントへの批難など。

*2:自分に被害が及ぶような時は無条件に相手を批判できるように思えますが、これも「人に無闇に迷惑をかけてはいけない」という暗黙了解があるからでしょう。だから、人食い熊を「罵倒」する人はいても、人食い熊を「非難」する人は(あんまり)いません。熊に「人に無闇に迷惑をかけてはいけない」という暗黙了解が通用すると考える人は(あんまり)いないからです。

*3:「知人から「先日のエントリで書かれてたの、どーゆー意味?」って聞かれてしまった」とあるように。