フリーゲームに"無料であること"は求めない

フリーゲームとは思えないほどの超絶クオリティ」という謳い文句なんかを見ると、フリーゲームってやっぱりそう認識されてるものなんかなー、と微妙な気持ちになったりします。むー。

 たとえば私は、別に"無料で遊べること"に価値を見いだしてフリーゲームをやってるわけじゃありません……というのは半分は個人的な感覚なのですが、多くのフリーゲームファンにもけっこう共通する思いであるとも考えます。たしかに生まれて初めてDLした時の動機は「無料で遊べるから」でしたが、しばらく遊んでるうちに「これはただ事やないで……」と思ったものです。今の私であれば、"市販ゲームには劣るけど、無料で遊べるから"という目的でフリーゲームをプレイするくらいなら、大人しく市販のゲームにお金を払います。

 私は、他の文化圏にはないゲームを求めて、フリーゲームというジャンルに手を伸ばしています。アンディー・メンテしかり、ステッパーズ・ストップしかり、カタテマしかり。そこに「無料だから」という理由は介在しません*1し、もし彼らが「次回作は有料にします」って言えば喜んでお金払います。*2

「プロの作るようなド派手なゲームを個人の技術力でものにしてみせるぜ!」って気概でフリーゲーム作ってる人もいると思います。でもそういうものを指して、これこそがあらゆるフリーゲームが目指す本願だという感じの意見を見ることもあって、それはどうなんかなーと思わないではありません。

 もちろん、「俺たちは人と違うマイノリティだから凄いんだ」という身内の優越感で小さくまとまるのはしょうもないですし、「どんなゲームも等しく面白い」みたいな価値相対化もつまんないです。それよりなんかもっとこう、「ゲームってこんなことも出来たんだ!」っていう、プレイヤーのゲーム観を更新するようなフリーゲームの一面が、もっとアピールされていけばいいなあと思っています。

*1:むしろ配布形式としては、「お店に買いに行かなくてもWebのリンクからすぐにDLできる」という面の方が大きかったり。

*2:またゲームに限らずとも、たとえば『胎界主』だって、無料で読める漫画だから凄いと言ってるのでは全然ないわけです。