『ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日(2)』
あの中条長官が素で「こうなるなら大作少年の命だけでも…奪えれば良かったものを〜〜!」とか言っちゃうジャイアントロボ第二巻。「地球の制止する日」と異なり国際警察陣営も悪い顔の人ばっかりで、元々の敵であるBF団に国際警察を加えて挟み撃ちにされちゃう四面楚歌感が凄いです。なにもそこまで大作くんを追い詰めなくても……。
逆境の分、大作くんのキャラクターも「静止する日」より力強く、攻撃的に描写されています。中条長官や衝撃のアルベルトに正面からぶつかって退かない大作くんの逞しさは他では見られないものですが、そこに屈託の影が見て取れるのも気になるところ。「静止する日」におけるバシュタールの惨劇に相当する破滅的事件、「草間の乱」は彼のお父さんが引き起こしたということになっているので、父子の間の葛藤が強化されている感じであります。
後半、GR2、GR3が立ちふさがってからの展開が見物でした。状況に翻弄されやすい印象のあった大作くんが、言葉ひとつでストーリーラインをへし折るという力技を自らやってのけたことの驚き。漫画版の大作くんはひと味違うのだというのを印象続けるシーンでもあり、これこそが物語のダイナミズムだなあと思います。