『戦争の常識』

戦争の常識 (文春新書)

 初心者にとって知りたいことが、知りたい言葉で書いてある、ザ・入門書といった感じ。軍隊について知ろうとしている素人にまず一冊だけ勧めるなら、じゃあとりあえずという感じで選べるくらいには手堅い内容。

 カバーする範囲は次の八章。

  1. 国防の常識
  2. 軍隊の常識
  3. 兵隊の常識
  4. 陸軍の常識
  5. 海軍の常識
  6. 空軍の常識
  7. 現代戦の常識
  8. 自衛隊の常識

機械的に羅列しましたが、素人に想像できるようなところをバランスよくカバーしていて、痒いところに手が届いていた感があります。思想的な主張がほとんど書かれておらず*1、あくまで情報の提示に徹しているのも好印象。

 著者はこのへんではかなりボコボコ言われているので、内容をあまりそのまんま受け取るのもよくないのかもしれません。それでも、少なくとも素人向けの入門解説書としてはなかなかのものだったと思います。専門的な視点から突っついたら色々ぼろが出てくるかもですが、とりあえず「はじめて読む軍事の本」としては、非常に満足のいく一冊でした。

*1:日本人は軍事に対してあまりにも無知すぎる、と再三言っている程度がせいぜい。