2020年だけど『エルシャダイ』の感想書きます

El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON - Xbox360

El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON - Xbox360

  • 発売日: 2011/04/28
  • メディア: Video Game

 最近『メギド72』でアルマロスっていう名前のキャラが出てきて、「そういえばエルシャダイにもアルマロスいたな……エルシャダイのアルマロスに久しぶりに会いたい!」って衝動的にXBOX起動してしまったので、ついでに感想も書きます。実は発売ほどなくに買ってクリアしてたんですけど、なんか感想書きそびれてたんですよね……。

 ニコニコ動画でPVが異常に流行って一世*1を風靡したものの、ゲームの購買意欲に直結するような流行り方ではなかったためか作品そのものに対する評判は意外と出回っていない、ちょっと不憫なタイトルと認識してます。本編の方は美麗でアーティスティックなグラフィックが売りの3Dアクションゲーム(ときどき疑似2D)で、いろいろ癖はあるものの、9年経っても「またやってみようかな」と思うくらいには印象に残っていたゲームでした。7時間くらいでクリアできるからお手軽と言えばお手軽だし……。

小ボリュームながらも手堅いアクション(ジャンプ以外は……)

 難易度イージーでしか遊んでないのでアクションゲームとしてはあまりコメントできないのですが、戦闘部分はボリューム少なめながらも手堅く作られていた印象です。武器が3種しかありませんけど、3すくみとしては上手くまとまっているし、ゲームのボリュームを考えるとちょうどいいのかも。

 敵の種類なども多くはないけど、演出がいちいち美麗なので退屈せずに楽しめました。たとえば、攻撃を続けていると武器が劣化するシステムがあるので、そのたびに「浄化する」か「敵から奪う」ってワンアクションを挟む必要があります。こういうひと手間は普通ストレス要因だと思うんですけど、武器を奪う際の演出が気合入ってて美しいので、あんまりストレスにならなかったんですよね……(敵の弱体化にも繋がるし)。短いボリュームながら、ステージごとにゲームの雰囲気ががらりと変わるような趣向も用意されていて、こういった点ではプレイヤーを楽しませようというサービス精神も旺盛に感じました。

 ゲーム部分で厳しかったのは、マップ移動時のジャンプアクションですね……。とにかく落ちて死にまくりました。3Dアクションだけど視点カメラは固定で、しかも浮遊する足場とかがやたら多いので、距離感や高低差がすごく把握しづらいんですね。斜め前方の足場に飛び移ったつもりが、実は高低差でそう見えていただけで、あらぬ方向に投身した主人公イーノックが虚空に落ちていくみたいな死に方を何度繰り返したことか! 目測があてにならないので、真下に映る影を目印にするのが一番確実なんですが、虚空には当然影も映らないし……。

 幸い落下後の復帰は一瞬。ガイド役のルシフェルが指パッチンするだけで、ロード待ちを挟むこともなく定位置まで戻されます。この演出自体は子気味いいので、多少難しくても気持ちよくトライ&エラーできる土台までは整っていたと思うのですが……乗り越えるべき理不尽さの度が過ぎました。この高速復帰がなかったら、本当にストレスで挫けてたかもしれません……。

 あまりに辛かったので調整の時間なかったのかなーと思ってたんですが、インタビューとか読んでみると「ジャンプには1年かけて徹底的に拘った」みたいなことが書いてあって、えっ……てなりました。たしかに武器種ごとのジャンプモーションとか慣性とかは作り込んでる感じでしたが……。

シナリオまわり

 シナリオはわりと好みだったんですが、こちらもまあ賛否分かれる感じです。PV見た人なら、背景説明をすっ飛ばして奇妙な話を一方的に語りかけてくるルシフェルが印象に残っていると思いますが、本編もおおむねあんな調子です。どう見てもうさんくさいルシフェルに言われるがまま、無口でやはりよく分からない主人公イーノックを操作してなんとなく悪そうな堕天使たちとの戦いに身を投じていく奇妙な体験。あまり説明がないままプレイヤーを置いてどんどん話が進行してくんですが、その離人めいたふわふわした感覚が作品の神秘体験のような幻想的雰囲気にマッチしてた気がするので、私は結構ありでした(むりやり褒めてるわけではないです)。アクションパートの背景で物語が勝手に進行していったり、いきなり数百年が経過したりするような突き放した演出は純粋に格好良かったですしね。

 ただ、よく分かんないまま最終盤まで話が進んで、何はともあれ次が最上面だ、クライマックスの決戦行くぞーって盛り上がったタイミングで「なんと最後の敵はもういませんでした。ゲームクリア」って呆気に取られてるうちにエンドロールが始まるのは、説明の寡多とは別の意味であまりにゲーム的カタルシスに欠ける展開でした……。なんかノーマルエンド的なのに入っちゃった? 真エンド見るために2周目行かないといけないのかな……と思っていろいろ調べたら本当にこれで終わりっぽくて、あっ……終わりなんだ……って何とも言えない気持ちになったことを覚えてます。いろいろ都合があったんだろうなと感じられはするんですが、うーん……。

 ジャンプアクションの理不尽さとラストの尻すぼみ感が極めて痛いのですが、その辺踏まえても非常に惜しい、見るべきところのある作品でした。作品の内容に見合わないヘンな流行りかたをした残念な作品、みたいな評判がわりとあるみたいで、まあ確かにあの流行り方なんだったのとは思うんですが、そんな出オチみたいな扱いしてあげないで……と思います。普通に出てたら、癖はあるし欠点もあるけどなんか印象に残る作品として語り継がれてた気がしますよ……(まあそれだともっと売り上げ落ちてたのかもしれませんが……)。

 中途半端になってしまったシナリオは原作小説で補完されてるようで、その名も『エルシャダイ原作小説』(そんなタイトルある!?)。いちおう買ったので、こっちもまたおいおい読みます。(実は数年前に現代舞台の続編的RPGが出てるんですが、どのくらい認知されてるんでしょうね……)。

エルシャダイ原作小説

エルシャダイ原作小説

The Lost Child ザ・ロストチャイルド - PS4

The Lost Child ザ・ロストチャイルド - PS4

  • 発売日: 2017/08/24
  • メディア: Video Game

*1:一世の範囲狭くない?