復刻 美味礼讃ノ魔宴(前編・後編)

 過去にも料理モノやりたいんだな……と感じるシーンがちょこちょこ挿し挟まれてましたけど、満を辞してという感じで投入された直球グルメイベント。異世界がベースだからハッタリが効くし、具材集めはバトルに絡めやすいので(そう?)異常にメギドの雰囲気に馴染んだイベントでしたよね……。チョイ役程度ではあるものの、今回いろんなメギドが出てくるのも嬉しかったです(ちょくちょくトンチキピックアップ召喚の回収してきますよね……)。

 本編シナリオの7章1節でモグラのボス(ウゴロモチ)が出たときは「モグラだ〜」くらいの感想でしたが(そりゃそう)、その後このイベントの前後編でモグラが出まくって専用BGMまで流れたときは「も、モグラだ〜〜!!(なぜ!?)ってなりましたね。やたらモグラを推してきた2019年後半のメギド72、謎。

 ニスロクはキャラ立ってる上に色んなエピソードに出しやすそうなのでずるいですね。生きることは食べること、食材に敬意を払えって良いこと言ってるけど、「食材の分際で逃げるな!」って逆上してたりもするので、あくまで食材としての敬意しか払ってないっぽい。狂人です。

 オリアスは残念なぐうたらキャラでしたが、普段から「予言しましょう……このフロアには何かがある」「あなたなら出来ると分かっていました(フフン)」みたいな無の予言ばっかりしてるので、本当に予言能力あったことがそもそも意外な感ありますね。リジェネレイト理由のしょうもなさも断トツ1位だし、気持ちの変化でなく食事の消化のタイミングで光るっていうのがなんかもうすごい。いいと思います。それにしても雑な変身能力とか分裂能力とか、あれ設定どうなってるんですかね……?

 ラウム君はもともと登場頻度の多かったメギドですが、メインを張るとやはり情報量が違いますね。ご両親もいいキャラだし、そのうち再登場もありえそう。初登場になる汎用立ち絵は、恰幅のいい貴族の既存立ち絵と差別化してシュッとした貴族の立ち絵も用意したくらいのものだと思うんですが、初出がラウム父、次がリャナンシィの師匠だったので、コワモテの武闘派みたいなちょっと面白いイメージがついてしまいましたね……。

ご両親がアルフォンソと呼ばなくなった件

 ご両親がメギドの存在とラウム君を受け入れてくれたのはいいんですが、これからはアルフォンソでなくラウムと呼ぶぞ、のくだりはちょっと引っ掛かりの残る描写でした。ヴィータとして生きてきた半生やご両親とのこれまでの繋がりを追放メギドであることと同様に尊重するなら、作劇的には「ラウムであると同時にアルフォンソでもある」で締めた方が「いい話」にはなると思うんですよね。

 ただラウム君自身、単にメギドであること以上に「本物のアルフォンソの魂を自分が乗っ取ってしまったこと」に強い負い目を感じていたようなので、そこを汲んで「本物のアルフォンソ」の存在を軽視しない話運びにした結果でもあるのかもしれません。転生で乗っ取ったヴィータの魂概念、考えても仕方ないところなので、考えない、気にしないという処理をしてる追放メギドの方が多いと思うんですが、ラウム君はそのへん真面目そうですもんね……。カミングアウト後真っ先にこの話題に触れて「殺されても仕方ない」と言い出すあたり、実は一人で相当思い詰めてた風に見えます。今後、この辺をさらに突っ込んだ話も出てくるんでしょうか……。