『幻想牢獄のカレイドスコープ』第1ゲーム 死刑囚:水無/ピエロ:火凛

幻想牢獄のカレイドスコープ 通常版 - PS4

幻想牢獄のカレイドスコープ 通常版 - PS4

  • 発売日: 2020/12/17
  • メディア: Video Game
第1ゲーム

  • 死刑囚:水無
  • ピエロ:火凛
  • 断罪者:風華、土麗美

 デフォルトでこの並びだったので、導入シナリオとして推奨されてるルートなのかなと思いそのままプレイ。最初は「皆で助かる方法があるはず!」と一応お決まりの姿勢を見せつつも、早々から雲行きが怪しくなり、やがて感情が崩壊してムチャクチャになる……という、このゲームのおそらく定番であろうパターン進行が見られました。

 具体的には、自分が身代わりになる選択肢を見て見ぬ振りしながら水無の自己犠牲を讃える火凛の白々しさに風華がプッツン、死刑囚を水無から火凛に変更し、土麗美を言いくるめて拷問刑を執行させてエンド。今回は断罪者の風華とピエロの火凛がまず馬脚を現した感じで、あとの二人は比較的おとなしかったですね。

 構成としては、デスゲームの合間合間に挿話のような形で過去の日常パートが挟まってくるようです。日常のすました会話と極限状態での醜い争いを対比させる見せ方なわけですが、上っ面の日常は空虚な偽りで、腹のそこから出た醜い罵り合いだけが真実……という単純な話にはなっていなくて安心しました。悪趣味方向に振り切ってはいるものの、私の好きな竜騎士さんが読めそうです。

 それにしても、火凛と風華が互いに周りから求められた役割に合わせて生きる似たもの同士で……のくだり、完全に竜騎士さんのいつもの人物描写でしたね。今日び「女の子らしさ」云々に焦点を当ててくるのは相変わらずの手癖、趣味という感じですが、そういうネタでも竜騎士さんなりのいい感じに仕上げてくれるという信頼はあるので、期待しながら読ませてもらいます。