『幻想牢獄のカレイドスコープ』第7ゲーム 死刑囚:土麗美/ピエロ:水無

第7ゲーム

  • 死刑囚:土麗美
  • ピエロ:水無
  • 断罪者:風華、火凛

「ピエロに配置された水無を犠牲にする以外に自分が生き残る方法はない」と悟った土麗美が「詰んだ」と判断し、そうなるよりはと自己犠牲を進言。なんか話がまとまりそうになるものの、水無に嫌悪を抱く火凛が案の定土麗美への「無罪」を宣告して死刑囚を水無に変更。火凛が主導権を握った状態ですったもんだ、水無が土麗美を嫌っていることが暴露されたりしつつも土麗美の決意は揺るがず、根負けした火凛が水無に「無罪」を宣告して元の配置に。土麗美に拷問刑を執行して全員の鎖が外れるも、もたつく水無の隙を突いて火凛が再度「無罪」を宣告。土麗美の死体と入れ替わる形で水無が再び拷問台に拘束され、火凛と風華だけが脱出という結末。

 相変わらず土麗美のムーブが強いですね。水無すら謀殺した前回とは打って変わって、今回は水無のための自己犠牲を完遂します。水無に対する態度の揺らぎは理解しがたいものの、「水無を救える可能性があるなら自分の命も投げ出す」「どうせ全滅するくらいなら自ら水無に手をかけてでも生存数を増やす」が両立するような極端な人間性なのかもしれません(そう?)。

 火凛が水無を憎むようになった切っ掛けはレイヤーズセブンのマジカルステッキ絡みだという、以前ちらっと触れられた話題が再び出てきましたけど、まだ核心はよくわかりませんね。この件については今のところ空くんの名前が出てきませんけど、何かしら絡んでくるんでしょうか。

 今回は日常エピソードのボリュームが大きめでした。プロローグの土麗美エア牛丼催眠エピソードが乗っけからあまりにも酷くて、あの、声優さんに何させてんですか? いくら何でもそんなに頑張らなくても……。

 あと新しい要素としては、このところプロローグと本編の間に4人の誰かによる短い独白が入るようになってきましたね。どうも男性(空くん?)に向かって、「女の子に夢を見てるみたいだけど、その内面なんてこんなものだよ」的な話をしてるっぽい。別のタイミングでは檻の中の少年らしき人物が「もうこんなの見たくない」「あんなに優しい女の子たちがどうして……」みたいなことを呻くシーンも挿入されはじめていて、こちらは記憶を継承して何度もこのゲロカスゲームを見せられているような物言い。なんか超常的なギミックが絡んでるのか、メタ的な仕掛けなのか……。

 プレリリース的な文章にも書いてあったので割と覚悟はしてたんですが、やっぱり「男の子には想像もつかない女の子の本性」みたいなのがコンセプトなんですね。「男子と違って女子は嫌いな相手とでも笑いながら付き合えるんだよ」的な話を檻の中の少年に延々と見せつけ、女子に幻想を抱いていた少年が煩悶する構図をやりたいみたいです。まさしく竜騎士さんの趣味という感じはするんですが、ステレオタイプな性差をかなり強めに追認するようなメッセージになってるので、2020年のゲームとしては正直かなり厳しい。一人一人のキャラクターはしっかり掘り下げてるのに総論になると変なメッセージでまとめて来てげんなりするの、これも竜騎士さんの手癖といえば手癖なので懐かしさはあります。こういう古傷の疼く懐かしさにまで再会したかったわけではないんですが……(覚悟はしていた)。