『ひぐらしのなく頃に』綿流し編
作品の性質上ネタばれのボーダーラインが著しく厳しいので、迂闊なことは言えないのですが……。とにかく、体験版の鬼隠し編をプレイして気に入ったという方にならもう迷わず製品版を勧められます。人を選ぶように見えて、プレイさえすれば本当はかなり広い層に受け入れられる質を持った良作と言えそうです。最初に体験版に手を出して、展開の少ない前半をプレイし切るまでは抵抗が強いかとは思いますが……。
鬼隠し編をプレイした直後はキャラクター自体にはあまり魅力を感じることができなかったのですが、本編をプレイし終わる頃にはメインの四人全員を好きになってしまっている自分に気がついてちょっと驚きました。「〜ですの」口調のキャラクターが登場するくらいですから、本作のキャラクターはかなりデフォルメされています。最初のうちはそんな誇張された造型に目が行ってしまうため気づかないのですが、それに慣れて気にならないようになってくると、実はキャラクターの骨格の部分はかなり堅実に、深みを持ってしっかりと作りこまれているようですね。だからこそ、たとえば本編のラスト付近でのあの人やあの人の言動をとって見ても、意外ではあっても違和感のない連続的で自然なものとして認識することができるのでしょう。