2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『水滸伝(十三) 白虎の章』

戦いの規模も、遂に官軍の総動員数十万なんていう数字が出てくるようになってしまいました。梁山泊軍も三万を越えるし、霹靂火秦明、双鞭呼延灼、大刀関勝という泡吹きそうな面子が将軍として揃い踏み。ここまでの経緯を思うと、もうヨダレでも出んばかりの…

『水滸伝(十二) 炳乎の章』

燕青さんがとにかく凄い一冊でした。頁数として考えると、実際に燕青さんが活躍してる場面はさほど多いわけではないんですけれど、読後に残る印象は強烈です。林冲さん、史進さんといった梁山泊でもスタークラスのキャラクターに匹敵する個性を、この一冊で…

本日一信

りんりんりん。 ジェバンニpのすべて (鏡音リン曲より) by ジェバンニp(泉和良) VOCALOID/動画 - ニコニコ動画

『3時間熟睡法』

睡眠効率を上げよう! というご本。本文中では「睡眠は一日3時間で十分だ」ということが力説されていますけど、どうにも説得力のある根拠が示されません。ことがことだけに、そのまんま鵜呑みは危険でしょう。3時間というところに拘らず、睡眠時間に対する休…

本日一信

http://twitter.com/sak65536/statuses/820079422 玉座から伸びた怪しいアンテナで元気の出る電波を送ります! みゅーん。 みゅーん。

『よつばと!(7)』

「変わらない日々の繰り返し」に見えて、実は少しずつ不可逆に変化していく日常を描いたお話なんだなあと思います。よつばちゃんは前巻で三輪車を手に入れましたし、今巻では「はじめてのおつかい」に挑みました。こういった日常の中でのちょっとした変化を…

『犬はどこだ』

かつていつぞや、行く先々たくさんのサイトでこの作品の話題が挙がっていた頃がありました。話題に乗り遅れること三年、今回の文庫化でようやく読めましたよ! 米澤さんにとって初めての「少年少女が主人公でない作品」だからでしょうか、それとも主人公が物…

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が『涼宮ハルヒの憂鬱』の裏面に見えたりした話

凄いものを読んでしまったという感覚があります。原作は発売当初に読んでたんですけれど、あるいはそのときの衝撃を上回るものを感じてしまったかもしれません。漫画表現に原作を凌駕するものがあったのか、受け手の私の方が変化したのかは分かりませんけれ…

『喜劇駅前虐殺』

ポストに選ばれた人が全身ありとあらゆるところに手紙を突っ込まれまくる社会のあり様を描いた「駅前郵便」。自殺者が雨あられと降り注ぐ社会での天気予報のあり様を描いた「駅前予報」。などなど、奇想的な一話一テーマで血みどろ社会を描いていく短編集。…

『虎よ!虎よ!』

本屋さんで見つけた瞬間、自然に手が伸びました。にわかSFファンにとってはえらい人の話の中で聞いて想像することしかできなかった、幻と読んで差し支えない大古典の再販。本当にいい時代ですね。 すごい雑多さ。この雑多なアイデアの闇鍋状態は、バリントン…

『新世界 5th』

一年くらいかけて、一冊ごとに間を空けてゆっくり読みました。そのせいで、記憶がおぼろげでお話の全体を把握しきれなかった気がするのが残念です。でもこの記憶のあいまいさは、本作の漠然とした雰囲気によく似ている気もします。 二者が情事を交わすに際し…

『ハムレット』

ハムレット。野阿梓さんの『兇天使』を読もうとしたんですけれど、どうも元ネタとして『ハムレット』を使ってるみたいだったのでこちらを先に。 内向的な葛藤の果てに破滅したり自殺したりする人のことを彼に譬えるような表現に出会ったことが、過去に何度か…

『BASTARD!! (25) -暗黒の破壊神-』

今回の要約:ぶつかって砕けた「どひー嵐のような戦いと思いねえ」の一行でまとめられるような描写のために、ご本をまるまる一冊使い切ることに一切躊躇しないこの態度。にも関わらず、ひとコマひとコマの情報量は薄まるどころか限界まで高密度に圧縮されて…

フィクションに閉じ込められた少女たちにリアリティの救いはない話 - 沙村広明『ブラッドハーレーの馬車』

[これはひどい]タグの嵐。初沙村さんがこれだったというのはいいんですか悪いんですか。 『GUNTHLINGER GIRL』なんか目じゃないぜっていうくらい、直球の少女残酷物語。「義体はなんで女の子だけなん?」とか、破綻がその程度で済んでいるガンスリが可愛く見…

『虐殺器官』

ようやく読みましたよ虐殺器官。人類という種に秘められた「虐殺」の秘密と、その秘技を用いて世界中で虐殺行為を引き起こして回る男を巡るお話。「虐殺の文法」という観念的にも見えるアイデアを中心に据えつつも、実際の描写から生まれるイメージは地に足…