『3時間熟睡法』

3時間熟睡法―簡単に疲れが取れる 驚くほど頭が活性化する (知的生きかた文庫)

 睡眠効率を上げよう! というご本。本文中では「睡眠は一日3時間で十分だ」ということが力説されていますけど、どうにも説得力のある根拠が示されません。ことがことだけに、そのまんま鵜呑みは危険でしょう。3時間というところに拘らず、睡眠時間に対する休息の質を高めるにはどうすればいいかというポイントを追って読んでいけばいいと思います。

  • 寝すぎると逆に疲れる
  • 二度寝は睡眠効率が悪いのでよくない
  • 朝型の方が睡眠効率はよい
  • 寝る時間よりも、起きる時間を固定したほうがよい

 この辺はわりと信憑性のある内容でした。ただ、こういった話は本書に限らず色んなところで語られてますし、特に目新しいわけでもありません。ネットとかで簡単に収集できる情報でもあります。

  • 一日の睡眠は3時間で十分
  • 過去の天才の睡眠時間は短かった
  • 短眠短命という俗説は嘘だ
  • いい睡眠は生活の全てをよくする

 逆に、この辺の内容は本書独自のアプローチであると言えます。でも、こういう独自の部分に限ってデータの扱い方が恣意的で、あまり参考にはできません。無理して3時間睡眠を実行した結果、10年後くらいに悪影響が帰ってくるような可能性もないではないです。「いい睡眠は生活の全てをよくする」なんかは、たしかに否定する理由も見当たりませんけど、「いい食事」でも「いい入浴」でも同じことが言えてしまいそうな感じでした。

 最終章にはよい睡眠のためのマッサージや指圧の方法なんかが載せてあります。「ビジョンヨガ」なんて名前がついていて最初はうさんくさいと思いましたけど、やってることは普通のストレッチや指圧だったりします。この辺りが、知らない人にとっては実はいちばん実用的な項目になるのかなと思いました。