2012-01-01から1年間の記事一覧

あまりにも強力な物語の祝福 - 宮城谷昌光『太公望』

初の宮城谷昌光さん。中国の仙道大戦的な伝説的小説『封神演義』の時代を、史実に軸足を据えて書いた作品です。『封神演義』はキャラクター含め大部分が後世の創作だったので、歴史ものとして書かれた商周革命はだいぶ印象が異なりますね。とはいえ、藤崎竜…

現実/オカルト二重化解釈による『彼岸花の咲く夜に 第一夜』各話読解【ネタばれ】

この記事は『彼岸花の咲く夜に 第一夜』を全面的にネタばれします。ご注意を。

ヱヴァQ放映中のいまさらヱヴァ破の感想を書きますよ

これからヱヴァQ観にいくので、頭の整理のためにわりと個人的な所感をメモを残しておきます。もうネタバレ記事がばんばん上がってる時期なのでたいへん今さらなのですが、まあ日記ということで。 14歳って、個人的に思い入れのある年齢です。いわゆる「中二…

『銃・病原菌・鉄』

人類史の超有名なご本。タイトルに反して、銃と鉄それ自体の話はあまり出てきません。ある文明がいかにして銃や鉄(や病原菌の免疫)を獲得し、それらを持たない別の文明を侵略するに至ったのか。そしてそもそもなぜ銃や病原菌や鉄を持つ文明と持たない文明の…

こういうのが読みたかったんですよ、竜騎士さん - 竜騎士07『彼岸花の咲く夜に 第一夜』

こういうのでいいんですよ、こういうので(ゴローちゃんっ面で) 新作の『ローズガンズデイズ』も出た後なので超今さらになるのですが、『彼岸花の咲く夜に』第一夜をようやくプレイし終えました。『うみねこ』の頃あれだけ騒いでたくせに、どうして『彼岸花』…

免罪符と化す「太田が悪い」

これとかこのへんの話について(『ぼくらは虚空に夜を視る』回収の件は、現時点で星海社サイトに告知が出ていないので真偽不明。回収連絡のメールから一週間も経ってるのにサイトで告知が出ないのも変なので、ちょっと怪しい情報だと思ってます→太田さんから…

小林泰三『惨劇アルバム』

小林泰三さんお得意の、「思考の機序がなんかおかしい人々」を題材としたサイコホラー/ブラックユーモア短編集。良くも悪くもいつも通りの小林さんという感じですが、「清浄な心象」あたりはちょっと時事ネタっぽい趣があって面白かったです。各話で焦点の当…

『アキタランド・ゴシック』

女の子が血まみれで泣き叫んでたりするけど単なる逆間接機械化手術の光景だから問題ないよ! 健全なイラストサイトだよ! と言い張りながらR18-Gなイラストをたくさん描いてきた器械さん、まさかのまんがタイム萌え四コマ進出です。十年来の秋田モルグファン…

星を射る地上の瞳 - 友桐夏『星を撃ち落とす』

『楽園ヴァイオリン』からはや五年、待った甲斐がありました。レーベルの移動や五年という時間が友桐さんの作風を大きく変えたのではという心配もあったのですが、どうやら杞憂だったようです。『星を撃ち落とす』は、どう見ても友桐さんの小説です。腹に一…

竜騎士07 - ゲームデザインが規定する物語 (『恋愛ゲームシナリオライタ論集 30人×30説+』掲載原稿)

2010年夏コミで頒布された『恋愛ゲームシナリオライタ論集 30人×30説+』が完売、再販予定なしということで、私の担当した原稿について主催のthen-dさんからweb公開依頼がありました。作品完結前に書いたものであり、今では私自身かなり考えの変わったところ…

『天体の回転について』

「海を見る人」の正統続編とでも言うべき、直球のSF短編集。表紙の女の子は起動エレベータのガイドさんで、つまり「軌道エレベータガール」という洒落なんでしょうか。 表題作は、このガイドさんが起動エレベータの仕組みについて延々と説明してくれる内容。…

上遠野浩平『ヴァルプルギスの後悔 Fire1.』

『ビートのディシプリン』から繋がる、ブギーポップシリーズのサイドストーリー。ていうか、ブギー本編の方は断片的な出来事をオムニバスに綴るのが基本なので、シリーズ全体として「物語を進める」という雰囲気があまりないのに対し、外伝の方はブギー世界…

倉橋由美子『よもつひらさか往還』

薦められて読んだ短編集。いわゆる高等遊民らしい主人公の青年が、馴染みの怪しいバーテンダー・九鬼老人の作る魔酒めいたカクテルによって幻想的な体験をするお話。外から連れてきたり幻想世界で出逢ったりして、毎回異なる女性が登場してキーとなるのも特…

成長物語くそくらえ - 石川博品『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』

読んでよかったー! 「ライトノベルって何ができるの? 既存のジャンルを縮小再生産して萌えを振りかけた寄せ集めじゃないの?」って聞かれたら、今度からこの小説を突き出してやります! ひと昔も前、他のジャンルも読めるのにあえてライトノベルを読んでい…

文学フリマのお知らせ

おそらく出せるだろう、というところまで来たので告知だけ。5/6の文学フリマ新刊(?)として「小説フリー素材集 Vol.1/書き出し」を頒布します。写真や音楽で存在する「フリー素材集」の小説版です。自分も含めていろんな方に「小説書き出し」をひとり50点…

【1秒で分かる!】ほんの1年で年収を100万円以上アップさせるたった1つの秘訣!【たしかに1秒で分かる!】

職に就く。

俺屍Rプレイメモ(25)【完結】

※ネタばれあります プレイメモ目次 7月 地獄巡り 母の跡を継ぎ、氷鈴が第二十一代党首に就任。やや攻撃力が不足している感がありますが、そこは修羅の塔一界で大量に手に入るドーピング剤で補いましょう。 当主就任早々プレッシャーをかけられる氷鈴。oh... …

俺屍Rプレイメモ(24)

※ネタばれあります プレイメモ目次 9月 地獄巡り 新世代、氷姫の初陣。今回も亡者砂漠の手前で踏みとどまり、軽くいなせる相手と戦いました。今月だけで氷姫の体力は640まで成長、なかなか期待の持てる子です。 奉納点 186194→204429(+18200) 10月 氷ノ皇子…

俺屍Rプレイメモ(23)

※ネタばれあります プレイメモ目次 1036年(19年目)1月 紅蓮の祠討伐 残る髪は一本。そう思うともう、正月気分でのんびりしてはいられない討伐隊一行です。これから闘う一ツ髪の七天爆はほぼ即死するようなダメージを受けるらしいので、とにかくやられる前に…

俺屍Rプレイメモ(22)

※ネタばれあります プレイメモ目次 1035年(18年目)1月 交神 ちょっと体にガタの来はじめた聖竜ではありますが、二度目の交神です。お相手は雷王獅子丸。身体能力の高い子を望みます。 奉納点 195875→156932(-38943) 2月 忘我流水道討伐 当主聖竜、1歳8ヶ月に…

俺屍Rプレイメモ(21)

※ネタばれあります プレイメモ目次 1034年(17年目)1月 交神 今月は1歳7ヶ月になる神鳴の交神です。3ヶ月前、合魂での交神を紅望に任せていたため、そのぶん神鳴の交神が遅れたかたち。神鳴にまだ老いが来ていないのが幸いです。 お相手は例の日之本秋山。日…

俺屍Rプレイメモ(20)

※ネタばれあります プレイメモ目次 1033年(16年目)1月 忘我流水道討伐 222222両のくノ一姿絵を購入。これで、お金を貯める意義が本当になくなってしまいました。あとは刀を打つくらいですが、あれも数代を経て能力を宿すところまで育てないと意味がないので…

俺屍Rプレイメモ(19)

※ネタばれあります プレイメモ目次 1032年(15年目) 1月 交神 蝕竜二度目の交神です。天竜の指導は、蝕竜に代わって身体能力の高いのぞみにお願いしましょう。何かあると合点承知と連呼する無表情キャラの天竜……なんかかなり変な子です。 蝕竜の交神のお相手…

俺屍Rプレイメモ(18)

※ネタばれあります プレイメモ目次 1031年(14年目) 1月 紅蓮の祠討伐 年が明けました。昨年のお正月と言えば、手違いでひどい扱いを受けた柊が拗ねて人間不信に陥っていた頃。そういう他愛もない悩みの方が何倍もましだったと、昔を懐かしんでため息をつく柊…