『水滸伝(十三) 白虎の章』

水滸伝 13 白虎の章  (集英社文庫 き 3-56)

 戦いの規模も、遂に官軍の総動員数十万なんていう数字が出てくるようになってしまいました。梁山泊軍も三万を越えるし、霹靂火秦明、双鞭呼延灼、大刀関勝という泡吹きそうな面子が将軍として揃い踏み。ここまでの経緯を思うと、もうヨダレでも出んばかりの感慨です。

 前半の頃と比べて、幸せに描かれる女性が増えてきたように思います。宣贊さんのお嫁さんとか、秦明さんのお嫁さんとか。潘金蓮さんなど、前半では男性の動機付けのために死んでいくような女性が多かったので、今の状態はつかの間の平穏であってもほほえましく感じます。

 秦明さんと公淑さんに子供が生まれたり、阮小二さんが子供を拾ってきたり、続編『楊令伝』に繋がるのかなという要素がちょくちょく見え始めました。こういう風に後に続くものがあるので、負け戦と分かっていても暗くならないというところはあるのかなと思います。