『エルフェンリート』

エルフェンリート 7th Note [DVD]
かわいい女の子が酷い目に遭ったり血ヘド吐いたり肉片になったりで、基本的にはひたすら「上げて落とす」を繰り返す展開でした。でもこのお話からは、(たとえば極端な話、秋山瑞人さんや西尾維新さんの作品から感じる人は感じてしまうような)「あざとさ」とか「作者の意図」みたいなものがぜんぜん感じられなかった気がします。

そもそもお話の運び自体が上手というわけでもありませんでしたし、そういう技巧的なものを匂わせるにはこの原作者さんはきっと不器用すぎるんだと思います。かといって「とりあえず幼女殺しとけば人気取れるだろう」なんて安易に考えているわけでもなさそうで、必死でいい話描こうとしたら何か女の子いっぱい死んでたんだけどどうしようこれ、という感じ。

以前「グロをネタとして扱っている」なんて偉そうなことを書きましたけど、原作の人はこれを素で描いてたんじゃないでしょうか。ヘンなヒネリがなかった分、ストレートな衝撃が妙にお腹の方に響いてくる原色的な作品に仕上がっていたと思います。ネタとして扱っていたのはむしろアニメスタッフの方のようで、これはこれで良い仕事でした。*1

投げっぱなし度の高い結末ではありましたけど、「綺麗な投げっぱなしが決まった」ようにも見えました。今まで整合性を保ってきた物語が突然わずかに綻び、あれ? と思った瞬間突然現れるエンドマーク。この絶妙な不可解具合は、ちょっとした不条理系ミステリーの結末にも通じる感覚です。途中で切らずに最後まで見て良かった、と思える作品でした。

*1:知ったようなことを描いてますけど、原作はまったく未読です。しったかー。しったかー。