『ハツカネズミの時間(1)』冬目景

ハツカネズミの時間(1) (アフタヌーンKC)
ここ数ヶ月で冬目さんの新刊を四、五冊はみかけた気がするんですけど、ほとんどは新シリーズの一冊目なんですね。大丈夫なんですかこれ。大丈夫じゃなさそうですね。がんばってください。だれに言ってるのかわかりません。
今にも何かが起こってお話が転がっていきそうーという緊張感を漂わせながらも、結局この巻ではまだ決定的な事件は起こりません。これ自体が面白いというよりも、「これからすごく面白くなりそうな予感」をひしひしと伝えてくる一冊です。学園の内と外が完全に隔離されているので内外ふたつの物語が独立に展開して行くわけですけど、冬目さん自身はこの特殊な構造のことをあんまり意識せずに書いてる気がします。素。
カラーページがわりとモノクロっぽい配色なんですけど、これってやっぱり主人公の色覚障害であることを意識してのことなんでしょうか。でもこの人って普段から何でもないときでもときどきこういう配色使ってましたよね。あんまり計算深い人じゃない気もしますし、微妙。