『ライトノベル「超」入門』

ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]

ライトノベルなんて知ってるし、普段から読んでるよ」という方々には、この本は時間とお金の無駄遣いになってしまいますので、ご注意ください。

と、まあ概ねではその通りの内容。ただし作者独自の解釈も随所に盛り込まれていて、膝を打つような部分もありました。

書いてるご本人がライトノベル作家ということですけれど、この本は「作家」というよりあえて「批評」として書かれたものだという気がしました。内容はマーケティングとか読み手の話に終止していて、新城さん自身の創作に対する姿勢とか小説を書いている動機とかにほとんど踏み込まれていなかったのは残念です。

けっこう真面目に語っているんですけれど、ときどき分かる人にしか分からないどうしようもないネタを混ぜてくるので困ります。たとえばキャラ属性を説明する段になって、実際にその属性を持つキャラクターの例を挙げていくところ。

たとえば「メガネっ娘」なら

<代表的キャラクター>
天野ヒカル(機動戦艦ナデシコ)、早乙女ハルナ(魔法先生ネギま!)、李紅蘭(サクラ大戦)、如月未緒(ときめきメモリアル)、保科智子(To Heart)

といった感じで、若干趣味の偏りを持ちつつもごくごく普通のラインナップを並べていくんですけれど、「年上のおねーさん」の項になった途端

<代表的キャラクター>
セイラ(機動戦士ガンダム)、マチルダ・アジャン(機動戦士ガンダム)、キシリア・ザビ(機動戦士ガンダム)、エマ(機動戦士ガンダムZ)、レコア(機動戦士ガンダムZ)、ハマーン(機動戦士ガンダムZ)

いきなりこれですかよ。しかも何のツッコミもなしで普通に流すし。あとツインテールの項目でも「食べると海老の味がする」とか書いてるし。そんな暗黒議会ですら二度も三度もループしたネタっ。あまりにも定番すぎて吹きました。