『ひぐらしのなく頃に 暇潰し編(2)』

ひぐらしのなく頃に 暇潰し編 2 (ガンガンコミックス)

同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』の出題編における番外編的最終編、そのコミカライズの後編です。(ややこしい)

一巻の頃から画力の面に少々心配を感じていたんですけれど、予想以上の出来ではありました。全体として崩れがちなのは仕方ないものの、決めるところでは決めてくれていたと思います。後半になって漫画版のオリジナルシーンがかなり顕著に増えてきましたけれど、最終話を除けば、概ね筋は変われど効果は変わらないという按配です。(細部が省略されて残念だったシーンも、ところどころあるにはありましたけど。「警察は背を向けて逃げる相手を撃つことはできない」のあたりのセリフ)

ラストの後日談的シーンがこの作品の最大の肝だと思ってるので、個人的にはそこのところがしっかりと描かれていただけでも十分に満足でした。この辺の話に関しては私がなかば条件反射的に興奮してるだけな気もするので*1贔屓目でない自信がないんですけど、それにしても自分の血流を感じられるくらいに心が震えました。

この漫画版のラストシーンには原作を逸脱する大きな変更点が加えられていて、その挿入のために多少リズムが失速したというところはあったかもしれません。*2ただ、作品全体のことを考えると、是非必要な改変だったんだろうとも思います。原作で語りきれなかった部分に手を伸ばそうとする試みで、なかなか感慨深いものがありました。

*1:まあアニメ版ではあんまり感慨も湧かなかったので、そればかりではないと思いますけれど。

*2:原作では終幕まで一直線というシーンなんですけれど、漫画版では二ページ分ほどのワンアクセントが入ります。