『トップラン 第一話 ここが最前線』

トップラン〈第1話〉ここが最前線 (幻冬舎文庫)
あ、頭悪い……。(ほめことば)
御大にしては随分と大人しい、でもやっぱり他人には薦められないシリーズになりそうです。御大のことをまったく知らず、田島昭宇さんの絵に惹かれて買った方はお慰みですね。かわいそかわいそなのです。
お話自体は、意外とまとも。少なくとも、朝起きたら日本人が全員死んでいたりとか、チベットの山奥とアメリカ大陸がひっついたりとか、異次元空間の住人が攻めてきて人類全員死亡爆弾を落としたりとかはしません。それなりにとりとめなく日常っぽい描写が続くんですけど、そのことが逆に文章全体から漂う流水さんっぽさを際立たせている気がします。言い回しのひとつひとつがくだらない。実にくだらないです。「要CHECK IT(チェキ)」とか、よく正気で書けますね! ご丁寧に振り仮名までつけて! 壊滅的言語感覚が極まってます。きっとこの人、常識はともかくとして、良識がとことん欠けてるんでしょう……。
というわけで、流水で幸せになりたい人には相変わらずお勧めです。