『ヒトクイマジカル殺戮奇術の匂宮兄妹』西尾維新

バーコード！
最後の最後でらぶみさんに言われるまで、事件の仕掛けにぜんぜん気づけなかった私は本物のアレです。普通にミステリーとして読めてしまって、そろそろ自分の頭の足りなさを自慢してもいいんじゃないかと思えるようになってきました。わーい。
『クビキリサイクル』と『サイコロジカル』の符号はよく指摘されているのを見ますけど、本作と『クビシメロマンチスト』の関係についてはあんまり言及されてないみたいですね。ミステリー部分の符号もありますけど、何よりもお話の核の部分で本作は『クビシメロマンチスト』の裏返しになっています。初めからそのつもりだったのか途中で気が変わったのかは分かりませんけど、『クビシメロマンチスト』が否定のお話なら本作は二重否定のお話です。もちろん一枚板な肯定というわけじゃありませんし問題の対象も変容していますけど、『クビシメロマンチスト』から本書の第八章『執着癖』に至る繋がりは見事としか言いようがありません。
ところでキーワードが運命だったりアトガキまでそれっぽかったりで妙に上遠野浩平さんを連想したんですけど、このあたりは意図的なものなんでしょうか。あといつものことですけど哀川潤さん格好良すぎます。