『ロクメンダイス、』中村九郎
某所の地雷大賞を取ったりその他もろもろで、ちょっと前に世間*1を騒がせた一冊。たしかに平均的なライトノベルとは異なるいい感じにトんだ文法で書かれてると思いますけど、読んでみるとそれほど特異な印象は受けませんでした。
電波やポエムと言われたら確かにそのようにも見えますが、それは指摘されたから気づけたという程度。というか、この本にほとんど違和感を感じられなかった私の頭は致命的なレベルの電波に侵食されてるのかもしれません。困りました助けてください。
まずいところがあるとすれば、やっぱり作者と読者の間の認識の溝だと思います。きっと中村さん自身は「この表現で伝わっている」つもりなんでしょうけど、実際あんまり伝わってなさそうです。*2これは文章自体の上手下手とはまた別問題なので一概に「日本語になってない」とも言えず、今のような奇異な評価に繋がったのでしょう。
そういえばミステリー部分の骨組み自体はわりといい出来だったので、超常的な設定をちゃんと説明しきれていれば、そっち方面でも評価される作品になっていたかもしれません。この点はちょっと残念。