第1話「魔法少女きゆら」 Cパート
おまけ。何をしていたかというと、一日一小説大会に適当に乗ってました。
スタンガンの一撃で、"右崎宇佐子"は綺麗にのびた。"諸星きゆら"は右崎の鞄を掴み上げる。中に潜んでいたネズミが慌てて逃げだそうとしたが、きゆらは即座にファスナを閉める。
「おまえがそそのかしたのか」
「ちゅー……僕はただの可愛いリスでちゅー……」
「"ただの可愛いリス"に戻してほしいならそうしてもいい」
「はい! 嘘です! 洗いざらい全部吐きます! 全ては魔法少女委員会闇鍋会議における九長老の決定です! うさ子ちゃんは騙されただけでなんも悪くありません! 僕も使いっ走りな身分の手前あの人たちには逆らえなかったんですこれは本当だから信じて!」
「でも、今度こそ本気で私を消しに来たんだとしたら、詰めの甘さが怪しいな」
「へっへっへ、それだけきゆら様の実力が我々の予想を遥かに超えてたってことでさあ……」
「他にも何か企んでるんじゃ」
「なんも隠してませんって! ほんと! ほんとに!」
ネズミは鞄の中でじたばた跳ね回る。唯一の開閉口であるファスナを閉じられている以上、何をしても無駄な抵抗である。
「袋のネズミー!」*1
「もういい。委員会との連絡機能はまだ残ってるよね。こっちも様子を見させてもらうから。おまえはしばらく手元に置いておく」
「へえ? おうち帰してくれないの!?」
「元いたところに"戻"そうか」
「ひどい」
その後この町で、空飛ぶネズミを連れた反魔法使いが目撃されるようになる。
*1:袋のネズミである。