最近小説 2025年最新ガイド(アリュージョニスト作者 作品リスト)

※これは最近作品 Advent Calendar 2025 - Adventarの参加記事です。

 意外とこういうまとめ見かけないので需要あるのでは? と思い、最近さんがこれまで公開されてきた小説のガイド? 的なリストをご用意しました。※一ファンのまとめた非公式情報なので、あしからず。

  • どれがおすすめ?(個人の感想です)
  • どのくらいのボリュームか(中編、長編、大長編)
  • どうやって読めるか(Webで無料閲覧できるもの、書籍で買えるもの、Kindleなら買えるもの)
  • 完結済みか、連載中か

あたりの情報とともに、簡単な内容も紹介しています。近ごろのカクヨム連載から読み始めた新規の読者や、アリュージョニストは読んでるけど他の動向は追いきれてないという方の参考になれば嬉しいです。

※前提として、作者の作品は世界設定が(異世界レベルで)緩やかに繋がっていたり、共通の創作神話を下敷きにしているという共通点があります。最初はこの辺にも一作一作触れようとしたんですが、よく考えたら全作品に当てはまる話だったので基本的に割愛しました。初読で楽しむ上で支障があるものではないと思っています。

書籍作品

『アリス・イン・カレイドスピア』

 星海社から2015年に出版された読み切り小説。ダークファンタジー的な装い(暗いので)ですが、主人公や敵サイドの基本バトルスタイルが「極度の思い込みで世界を塗りつぶす」なもんで、3章あたりからどんどん様子がおかしくなっていきます。百人を超える脳内彼氏の連続壁ドン(?)でパワーアップするクール系ヒロイン何?? 世界観の押し付け合いバトル、というテーマにグッと来るなら買いでしょう。

 アリュージョニストのスピンオフ的な位置づけですが、登場人物も時代も異なる独立した作品です。

『祈る神の名を知らず、願う心の形も見えず、それでも月は夜空に昇る。』

  • ★おすすめ(比較的近作かつ単巻で完結してるので)
  • 通称「いの月」?
  • MF文庫Jから1巻完結。
  • Amazon在庫あり。Kindle購入可能。

 ヒロインにとって理想の人格が宿る体質の主人公、ただし複数ヒロイン制なので主人公のキャラが定まらない! ラブコメやりつつ血みどろ暗黒成分も多めのファンタジーライトノベルです。

「ループ能力者の敵が必死こいて学習してきたパターンを崩してモブ扱いのまま瞬殺」みたいなハイコンテクストなエピソードが序章でサラッと出てきて秒で流れていくなど、異様な展開(文脈の組み立て)の速さが特徴。この速のまま最後まで走り抜けて、濃密なクライマックスに突き抜けていきます。久しぶりに圧倒されるライトノベル読みたいな、という人におすすめ。

作者名が「品森晶」ですが、これは最近さんの別名義です。

Web小説

『幻想再帰のアリュージョニスト』

  • ★おすすめ(代表作なので)
  • 450万字超の超大作。現在も不定期に連載継続中
  • 「なろう」「カクヨム」で無料公開
  • 最新部の連載は「カクヨム」側でのみ更新

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幻想再帰のアリュージョニスト(小説家になろう)

 初の「最近」名義作品にして、連載10年を超える代表作。幻想再帰のアリュージョニストです。

 ジャンルに当てはめるならライトノベル異世界転生ファンタジー、SF、オカルトパンクあたりになると思いますが、数多のジャンルが錯綜する渾沌とした闇鍋小説であり、端的な紹介は至難の業です。10年20年かけて追いかける価値のある小説。めちゃくちゃ面白い。

 大ボリュームではありますが、長編ならではの丁寧な導入と高密度の面白さがあり、腰を据えて読むことさえできるならやはりこのアリュージョニストがお勧めです。1章は堅実な面白さ。異様な作風が本領を発揮して脳をビシバシ刺激してくるのは2章から。できれば、その面白さが奔流となって爆発する3章まで読んでほしいです。

『ハニーウィッチ・ユーフォリア

  • ★おすすめ(すごい百合なので)
  • 短めの文庫一冊程度(20万字弱)
  • 「なろう」「カクヨム」で無料公開

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ハニーウィッチ・ユーフォリア(小説家になろう)

 アリュージョニストはよく百合と言われますが、作者によると「自然とあんな感じになった」んだそうです。そんな作者が強い意志を持って「百合をやるぞ」の気持ちで書いたらどうなるかという答えがこれ。泣いて逃げ出せ!

 これはもともと、『祈る神〜」が出版された際、宣伝活動の一環で執筆されたスピンオフ小説でした。にも関わらず、なんかギアが入っちゃったのか10日ぐらいの連日更新でこっちもほぼ文庫1冊分くらいのボリュームを仕上げるという理解しがたいことになってます。なんで? スピンオフと言いつつ全部新キャラ、コンセプトも異なり単体作品としての完成度が非常に高いので、私的にはかなりおすすめの作品です。

『クラス転移で俺だけ勇者、クラスメイトは『外れ』で『無能』の『役立たず』?! 絶対に復讐されたくないかませ勇者の悪役回避』

  • ★おすすめ(短めの完結済み作品)
  • 文庫1冊程度(本編25万字程度?)
  • カクヨム」で無料公開

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 カクヨムでは2024年ごろから最近さんの短期集中連載が何本か発表されてますが、これはその第1作。略称は「俺だけ勇者」? 勇者属性が盛られまくった主人公だけど最近のざまあ系の異世界小説のお約束だとこれはむしろ死ぬ流れ。助けて! と必死こいて死亡フラグ折りに駆けずり回る話。

(たぶん)スタンダードなクラス転移フォーマットから始まりつつ、見る間に話が展開して様子がおかしくなり、どんどん予想外の地平に連れて行かれるという最近作品の醍醐味を味わうことができます。中編程度のボリュームにまとまっており、(相対的に)軽めのが読みたいなら次の『逆現パロ』と合わせておすすめです。

 カクヨムの表示上「連載中」となっていますが、本編はしっかり完結済み。その後に追加された前日談が途中なのでこういった表示になってます。

異世界ファンタジーゲームに一緒に転生した幼馴染が俺と自分のカップリングにドハマりしている~逆現パロのロールプレイ~』

  • ★おすすめ(短めの完結済み作品、かつほぼ最新作)
  • 文庫1冊程度(30万字弱)
  • カクヨム」で無料公開

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 カクヨムの短期集中連載作品。略称は「逆現パロ」。今年の秋ごろに連載してた近作です「逆現パロ」というのは「現パロの逆」=「現代日本のキャラを異世界に置き換えたパロディ」ということみたいです。

 最近さんの近年のカクヨム連載作品は「現代日本の少年少女」視点の青春ものの比率が多くて新鮮味があります。特に本作は思春期の恋愛やら性やらの模様がだいぶ生々しかったり、虐待サバイバー的な側面があったりと(そういうキャラが出てくる)、ファンタジー世界の過酷さとはまた違ったしんどさ、切実さを帯びた作品になっています。おすすめです。

『水着網タイツは人魚のなごり』

  • ★おすすめ(現在連載中なので)
  • カクヨム」で無料公開(連載中)

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 今まさにリアルタイムで連日更新中、最新の最近作品です。クラスメイトがみんな異世界転生していく中で自分だけ転生できない! という落ちこぼれもの系譜の異能系ライトノベル。「無能力系能力者の主人公が異能者の公営組織に勧誘される」導入とか、そこはかとなく2000年代の香りがします(幻覚です)。今なら毎日感想をポスト出来ますよ! 読んで!

更新停止中

おまけ

 単話程度のボリュームのものは省略しましたが、主なところはカバーできたのではないかと思います。
 小説作品とは別に、カクヨムの近況ノートを不定期で更新されています。有料サポーター向けの設定集などもちょくちょくあり。書籍作品の購入以外では数少ない支援手段ですよ!
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